最新の音楽や映画、そしてミュージカルの現場を取材するため、二週間にわたりニューヨークに滞在した。
タイムズスクエアの喧騒からソーホーの裏通りまで、街全体がまるでステージのように息づいている。
滞在中に観たのは、映画18本、ミュージカル8本、ロック・コンサート2本。さらに、無料の野外コンサートや老舗ジャズクラブの深夜ライヴにも足を運んだ。
ハーレムの「アポロ・シアター」では観客の熱狂に包まれ、ブルックリンの「バークレイズ・センター」では最新の照明演出に圧倒された。
映画館では小規模なインディペンデント作品からハリウッドの新作大作まで、多様な文化の息吹を感じた。
●ジャズと映画の交差点
深夜のヴィレッジ・ヴァンガードでは、世界的サックス奏者の即興が響く。そこには録音では味わえない「瞬間の緊張」があった。
一方で、映画館では最新のアメリカ社会を切り取るドキュメンタリーが続々と公開され、スクリーンの中でも外でも、表現者たちの実験精神が生きていた。
●街の歴史とスケール
ニューヨーク市の歴史は1626年、オランダ人が先住民からマンハッタン島を購入し、「ニューアムステルダム」と名付けたことに始まる。
それから約400年、芸術・文化・経済の中心として成長を遂げ、現在はマンハッタン、ブルックリン、ブロンクス、クイーンズ、スタテン島の五つの行政区で構成されている。
総面積はおよそ830平方キロメートル。大阪市(約221平方キロメートル)と比べると、ブルックリンだけでも183平方キロメートルあり、大阪より少し小さい程度だ。
この密度の中に、世界中からアーティストや観客が集い、日々新しいカルチャーが生まれている。
●二週間の余韻
取材を終えるころ、私は朝のセントラルパークを歩いていた。ジョギングをする人々、犬を連れた家族、ストリートでサックスを吹く青年――どの光景にも「この街らしさ」が滲んでいる。
眠らない街、ニューヨーク。その鼓動は、アートと音楽に生きるすべての人を引き寄せる磁力を持っていた。
國岡徹