皆さん思い思いの年末年始を過ごされているようでSNSで拝見するとその充実感に、何故か行った気になったり、やった気になったりしておりました。
そんな中、私は実家で数日間の休暇を過ごしました。
今年の年末年始は、両親も仕事ばかりでほとんど家族で過ごす時間もなく、一歩も外に出ず充電に続く充電の日々を過ごしておりました。
キラキラと輝くSNSの世界の中に、ただ一人コタツで悶々と働き方改革について考えたり、教えについて考えたり、今後の展望についても考えたり、人とはなんだろうか。と哲学に浪漫を馳せたり、とにかく考えることが多かったです。
これもまた初めての年末年始で、今日帰宅して思うと何はともあれ、「よかった」と思えました。
正直寂しかった。両親が構ってくれなく寂しかった！しかし、まあいいのです。
いるだけでいい！
そして、実家の猫のことについて考えました。
11月に帰省した際、猫の目が見えなくなってしまった事実を聞かされました。
もう、年齢も年齢ですし、全盲になりこのまま寝たきりになってしまうだろうなぁと思い、動物の死には慣れているはずですが、やはりこれまでの思い出を振り返ることを自然としてしまいます。
なんだか切なくなり、年末年始に帰る時本当に寝たきりになっているだろうなと覚悟して帰りました。
しかし
盲目のはずの猫が階段を降りて一階に食事をしに降りてくる。まるで見えているかのように歩いているのです。
それを数日間見ていて思いました。
動物は、本当に欲深くなく、ただ今日を生きる為のみ生きている。
目が見えなくなるショックと、今まで出来ていたことが出来ない苛立ちは感じず、ありのままの今をただ受け入れるだけ。
欲も無ければ、希望もない、しかし絶望もない。
彼女のことは気持ちを聞けないので実際のところはわかりませんが、そのように感じました。
ありのままの今をただ生きる。
これは古くからこの国で大切にされてきた禅の精神に通じると思ったのです。
簡単に出来ることではないとも思います。
人間は知恵があるからこそ、欲も希望も絶望もある。
それを捨て切ることは本当に難しいのです。
それによって感じたこともありました。
とても強いということ。
ただ生きる欲のみで、一生懸命ご飯を食べる。
暖かいところに行く。
それだけが本当に強いと感じました。
そんなことを思い、猫を見ていました。
それによって、自分の仕事や生活で何が生み出されるかは今はわかりませんが、ダンサーである自分が何の為に一生懸命になるのか、誰かの何かであることで何に欲を見出しているのか？
これは今後の深いテーマになりそうです。
今年は、沢山本を読みたいです。
本は、沢山の人の考えに触れて、美しい文章やそうでない文章に出会い、自分の好みや是が解る。
そしてまた悶々と考える日々が始まるのです。
今はこれを「芸の肥やし」にしたいと思いますが、いつか自分が芸の道から退いたときに必ず何かが残ると信じています。
そんなこんなで、今年もより良く生きるために沢山の経験をしたいと思います！
皆様、今年もよろしくお願い致します！
