五島美術館「一生に一度は観たい古写経」&ギャラリートーク「古写経に込められた鎮護国家思想」に行ってきました。
ギャラリートークを聴きました。
古写経とは人が書き写した経文。源氏物語のような文芸作品は残っていないがお経は信仰の対象であり状態のよいものが残っている。五島美術館の創設者、実業家五島慶太の古写経コレクションは約400件もあり、号を「古経楼」と称し、臨終の枕辺にも置いていたとのこと。
6世紀伝えられた仏教の教えは写経によって広く世につたえられ、国家の平和、先祖の冥福、一族繁栄などなどの目的、願いとともに盛んに写経が行われたそうです。
今、写経の目的はというと、願いをこめる、先祖供養、修行などや、心がおちつく、字がきれいになる、脳活性化・・でしょうか。
作品は奈良時代→平安時代→鎌倉時代の順番で展示されています。
奈良時代
天皇を中心とする人々を仏教、信仰によって国を鎮める、守るという考え方で国家事業としての写経所ができました。中国の
経典を正確に写すということで確認作業の記載もあるそう。紫紙は仏様の国では紫雲がたなびいているので使用されたのではないかと。読むのに訓読するためにつけた、返り点。ふりかななどの訓点がつけられたのもあります。
平安時代
金銀彩色の料紙に書かれています。権力者の藤原道長、三蹟
の小野道風、藤原行成の筆もありました。(大河ドラマのシーンを浮かべてしまいます)
鎌倉時代
文字、料紙ともにいろいろな書がありました。
古写経切
聖武天皇、嵯峨天皇、光明皇后、空海などなどの素晴らしい作品があり、「伝 聖徳太子筆」があり、聖徳太子が書かれた字・・観ることができて感動!
時代、書写した人の、文字の厳格さ、美意識などをを見抜く力はありませんが1000年以上前のすばらしい楷書の文字が見られて感動でした。