当ブログをご訪問いただきありがとうございます。ブログ主です。

 

9月8日、台風13号が本州に上陸しましたが皆さんの住む地域はいかがでしたか?

 

幸いブログ主が住む地域は大きな被害がありませんでした。

 

近年は11月辺りまで台風が発生しますのでまだまだ油断ならないですね。

 

今一度、非常時の避難場所の確認や水や非常用食料などの物資、モバイルバッテリーなどの電源確保等の点検をお願いします。

 

閑話休題

 

はい、それでは本の紹介へと参りましょうか。

 

本日紹介する作品は、横山信義さんの戦記ものの新刊!

『高速戦艦「赤城」1- 帝国包囲陣』です。

いつも通りあらすじ紹介から参りますのでよろしくお願いします。 

 

 

【あらすじ】

昭和一六年。満州国を巡る日米間交渉は、互いの主張が平行線をたどったまま打ち切られた。


米国は日本を屈服させる為にダニエルズ・プランのもと建造された戦艦群を主力とした艦隊をフィリピンに配備した。

更に在米日本資産の凍結、石油の全面禁輸を打って出た米国は、日米の哨戒機の墜落事故を契機に日本に宣戦布告!遂に日米の戦争が始まった。

 

ワシントン軍縮条約がご破産になり日米間の戦艦の建艦競争に負けた日本は、大艦巨砲主義をあらため、新たに航空主兵主義を掲げ航空機の増産、空母、巡洋艦、駆逐艦の増産に舵を切っていた。

 

航空主兵主義が大艦巨砲主義に勝るのか?未だ解答が得られぬまま戦が始まった。

果たして日本の運命は?

 

【解説】

①本作の著者は横山信義さん!

 

本作の著者は横山信義さん。1958年長野県生まれの65歳。

東京工業大学卒業後、本田技術研究所に入社。勤務の傍ら執筆活動をしていて、

1992年、「鋼鉄のレヴァイアサン」で小説家デビュー。

サラリーマンとの兼業作家生活を続ける。の後、会社勤めとの二足のわらじより独立。以後第二次世界大戦時期の架空戦記を多数発表し続ける作家さんです。

 

代表作

・八八艦隊物語

・修羅の波濤

・修羅の戦野

・蒼海の尖兵

・海鳴り果つるとき

遠き曙光

・海の牙城

など

 

②本作は「もしワシントン海軍軍縮条約(1922年)が締結されていなかったら」という架空戦記もの

 

本作は「もしワシントン海軍軍縮条約(1922年)が締結されていなかったら」という想定で描かれた架空戦記ものです。

 

ではワシントン海軍軍縮条約(1922年)とは何か?

 

第一次世界大戦後の事、戦勝国となったアメリカ、イギリス、日本、イタリア、フランスは、競う様に海軍戦力の増強(戦艦の建造)を推し進めていました。しかしこの海軍力の増強は各国の財政を逼迫させていたんです。

 

そこで、アメリカ合衆国大統領ウォーレン・ハーディングの提案で戦勝5か国の軍縮を行うことを提案しました。アメリカのワシントンで行われた海軍軍縮の話し合いは合意に至り。海軍軍縮条約が締結されました。

 

その内容は、海軍の主力艦足る戦艦や空母の保有量と隻数を米英5、日3、伊仏1.75の保有比率とすること。このワシントン条約の艦艇保有量の制限と新造艦の建造禁止の制約は、1930年のロンドン海軍軍縮条約と、1936年の第二次ロンドン海軍軍縮条約によってその他の艦艇の制限という形で拡張および修正が行われました。

 

ワシントン海軍軍縮条約にはより細かい内容がありますが、詳細を語ると大変ですので概ねこういうものだとご理解ください。

 

本作では、第一次世界大戦後にワシントン海軍軍縮条約が締結されず、つまり各国の建艦競争が野放しで行われたという設定。貧乏国の日本は経済力に勝るアメリカ合衆国との建艦競争に負け、戦艦の建造から手を引き、当時、海の物とも山の物ともつかぬ「航空主兵主義」に転換!航空機と空母の建造に突き進んだという設定で始まります。

 

 

【感想】

 

本作は第一次世界大戦後の設定を様々に変えて、新しい架空戦記を発表し続けている

横山信義さんの最新作です。※2023年9月現在。

 

今回は、「第一次世界大戦後にワシントン海軍軍縮条約が締結されず、更に欧州ではソ連のスターリンはクーデターで暗殺され、ドイツのアドルフ・ヒトラーはミュウヘン一揆で死亡。第二次世界大戦は起こらず、日米単独の戦争が起きた。」という設定。

 

その発端は第一次世界大戦後大陸に進出し満州国を建国させた日本が、中国共産党勢力を駆逐した中国国民党政府による要請で米国が日本が満州国から撤退を求めた事から始まりました。

 

この「満州国から日本は手を引け」というのは現実でも第二次世界大戦の日米間の戦争勃発の原因となったもの。本作でも同じ要因で戦争が起こったというわけです。

 

違っているのは、ワシントン海軍軍縮条約(1922年)が締結されず、米国はダニエルズプランを元に強力な戦艦を多数建造するなど大艦巨砲主義に基づいた強力な艦隊を造りあげました。

一方日本は元より貧乏国な上に関東大震災もあって戦艦の建艦競争に負け、しかたなしに「航空主兵主義」を掲げ、航空機と空母建造に注力するといった感じに・・・

 

大艦巨砲主義(戦艦主力)VS 航空主兵主義(空母主力)で始まる戦争!

両国の様々な地位にいるキャラクターが日米戦のあらゆる場所で行動する群像劇です。

 

第一巻は、もちろん「開戦編」!史実と違い戦端を開くのは米国側。日本は守りから始まります。

 

ミリオタでもある私としての注目点は、『日英同盟は継続中だが「単独国同士の戦争には参戦しなくてもよい」という条項で、英は参戦せず、ただし技術の輸出等でバックアップしてくれるという設定』そこで、英国で完成した航空機を改良し採用したということで、ブリストル ボーファイター双発戦闘機の日本改造機「天弓」が登場!くぅ!英国機の魔改造機の登場が米国との戦いに参戦でどうなるのか?

 

 

英国からの技術供与が劣勢の日本にどれだけの助力になるのか?

 

第二次世界大戦で欧州とアジアの両方に戦力が分散されつつも戦に勝った米国が、今度は全戦力と生産力を日本に向けてくる。

 

到底勝てない戦をどう戦い抜くのか?

 

物語の初巻ですので起承転結の「起」ということでまだ今後を見通せませんが、強大な米国に必死で立ち向かう日本海軍の活躍!を是非お楽しみください。お薦めです。

 

ということで本日はここまで!じゃあまたね!