オール電化の罠
省エネ、安全性などを名目として、オール電化を標榜する新築マンション
の建設が増加している。
しかし、本当に信頼していいものであろうか、今年の夏には毎日のように
電力情報が流され、電力供給の余裕の有無が報道されていた。
原子力発電所の事故の情報も相次いで報道され、新規の原子力発電所
の建設は困難な状況でもある。
代替する発電システムも風力発電、火力発電など早急な整備が可能な
状況にあるとは思えない。
マンションの建設は1~2年もあれば可能であり、オール電化のマンション
ばかりが、雨後の筍のように増加する事態は、この経済危機により幾分
緩和されたとはいえ、想定しておくべき事と思われる。
今夏はまた雷雨の発生が多く、落雷により停電も頻繁に起きた。
停電すれば当然の事、電気製品は使用できない。
高層マンションで自家発電装置を備えていなければ、当然エレベーター
は使えないし、オートロックも使えない。
炊事のための設備を始め、ライフラインを単一の設備に頼る事は、
いざというときのためには決して推奨されるべきものとは思えない。
少なくとも、ガスと併用したほうが安心度は高いのではないだろうか。
このうえ電気自動車までもが、盛んに喧伝され、使用が進めば、
電力需要はどこまで伸びるのであろうか。
地震などの災害にそなえるためにも、一考すべき事柄に思う次第である。
定額給付金について再度、その愚を問う
所得制限をつけることは確かに技術的に極めて難しい。
しかし、制限を設けず支給すれば、低所得者層の反感を
買うばかりである。支給しないことの方がまだましであろう。
高収入層の辞退を望んだとしても、どれほどの効果が
あると予想しているのであろうか。
自分の収入を高いととらえずに受給するか、高収入を
自覚しながら受領するか。困難な選択を強いることになろう。
良心を試す踏絵というのは、この事態の事である。
定額給付金を繁忙期に処理せざるを得ない実務担当の
役所にとって、もっと優先すべき独自の対策がおざなり、
あるいは先送りせざるを得ない事となる。
給付金の実際の効果は、限りなく小さいものとならざるを
得ないであろう。
新規の需要増に結びつく割合は、支給のために要する
各地方自治体の経費増をのぞけば、微々たるものに終わる
事が予想される。給与等から支払にまわす金を残して
給付金を支払手段としたところで、需要増とは呼べない
のである。
おろかなバラマキは反って政権の無能ぶりをさらけ出す
のみであろう。
君子は豹変す
潔く定額給付金を取りやめるべきである。
国家公務員の身分保障について
田母神前航空幕僚長の処遇を見て、あらためて国家公務員の身分保障
を考えて見た。
国家公務員法はその75条で、
職員は、法律又は人事院規則に定める事由による場合でなければ、
その意に反して、降任され、又は免職されることはない。
と規定し、さらに78条では、
職員が左の各号の一に該当する場合においては、人事院規則の
定めるところにより、その意に反して、これを降任し、又は免職すること
ができる。
一 職務実績がよくない場合
二 心身の故障のため、職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えない
場合
三 その他その官職に必要な適格性を欠く場合
四 官製若しくは定員の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を
生じた場合
と定めている。
民間企業の労働者に認められている団結権、交渉権等を制限する
見返りにしては、余りにも手厚い身分保障がなされているといえよう。
しかも、おそらくこの法律の条文も公務員の手によるものではない
だろうか。
それでも前幕僚長の場合にはこの78条の第三号をもとにして、
懲戒が可能ではないかと考えられる。ことは、防衛に関する文民統制
を危うくさせかねない重大な危険をはらむものであり、厳正な処分
をしなければ、いつかきた道をたどるおそれがある。
しかし、歴史を語るばあいには、できうる限りの資料に目をとおす必要
をつくづく思い起こさせてくれる事例ではある。
アレルギーについて
私にはいくつかのアレルギーがあります。
まず最初は魚類、いわゆるアオモノ、ひかりものです。食べると
ジンマシンが関節などにいっぱい出ます。
牛乳は中学校の1年生のある朝、突然に飲めなくなりました。
今では、暖めた牛乳を小さめのコップ一杯が限度で、それ以上
だと下痢をしてしまいます。
ここ2、3年はニンニクアレルギーになっています。
下痢をするわけでもなく、嘔吐するわけでも無いのですが、
食後15分もすると胃に激痛が走ります。痛みはほうっておくと
3日ぐらい続きます。
食品衛生法施行規則により表示を義務付けられていない食品
の場合、自分で判別しなければならないので、食事のたびに
神経質にならざるを得ません。
ところで話は変わりますが、政治の世界にもアレルギーが存在
しているようです。政治的思想信条に対するアレルギーもありますし、
政治家個人に対するアレルギーもあるようです。
思想信条は批判する対象の中身をちゃんと理解したうえなのか
単なる言葉の響きにたいするアレルギーなのか、自ら検証する
必要がありそうです。
政治家個人に対するアレルギーは非建設的なものである恐れも
あります。ムシが好かないといった感情の存在することは事実ですが
その人の能力に敬意を払うのが、公人としての政治家のとるべき
態度のように思えるのですが。
起きていなさい
百年に一度といわれる経済危機、黒人初の大統領が登場したアメリカ、
総選挙が取り沙汰されるわが国の状況。しっかりと目を見開き、行動に
つなげる必要がある。
選挙制度が異なるため単純に比較はできないが、アメリカ大統領選
の投票率は、日本の現状をみると何とも羨ましいものが有る。
選挙権は全ての成人に与えられているが、特に若年層に棄権する者
が多い。普通選挙権の獲得に先人達のどれほど苦労があったのか。
その歴史をよく自覚すべきである。
権利のうえに眠るものはこれを保護しない。これは、民法に時効制度
がある所以である。
選挙権を放棄するのであれば、いかなる政策にも白紙委任状を提出
していることにほかならず、唯々諾々と従うほかあるまい。
弱者は諦観にとどまれ。強者は社会改革にすすめ。
ちゃんと目を見開いて、現状を把握しわが身に起こる事象に備えよ。
誘惑に陥らぬよう、目を覚まして祈っていなさい。心は燃えても、
肉体は弱い。
Watch and pray,lest you enter into temptation.
The spirit indeed is willing,but the flesh is weak.
(マタイによる福音書 26章 41節)
高齢化社会を読み解く
ひとつの言葉で全てを網羅することの不可を痛感する。高齢者といっても、他の
世代と同様に千差万別であり、同世代における格差は厳然と存在している。
振り込め詐欺の被害の報道をみても、即座に多額の現金を、あるいは預金を
振り込むことの資金力をそなえた高齢者の存在なくしては詐欺は成立しないと
考えれば、子育て世代の40,50代にとっては垂涎の的とも言えよう。
一方で生活苦から高齢者の窃盗が増加しているとの報道もあり、複雑な感情を
抱かされる。
基礎年金のみを収入とする高齢者の存在のほか、不動産収入、配当収入等の
潤沢な収入により優雅な生活を送る高齢者も存在する。
政治による高齢者支援は肌理細かなものとする必要が、やはり重要となる。
年金制度の設計、運用も対象となる高齢者をきちんと把握して行われなければ
ならないが、はたして現状は如何なものであろうか。
年金制度は、制度発足時、世代間扶養を基本として設計された筈である。
持たざる高齢者を支えるためであったはずが、どうも変容しているとしか思えない。
自分の払った年金だから受け取る権利があると、あまりに強く主張することは、
世代間扶養の理念と大きく乖離する。権利であれば、高齢者で、高収入であって
も、年金を受給することを望むのは当然と言う事になる。特に地方に顕著にみら
れるが、金融機関は年金受給のための口座獲得に熱心である。
ゆとりのある高齢者の年金は口座に入金されたまま、ほとんど引き出されないと
いう現実が、金融機関の口座獲得競争の理由なのである。そして、こうした高齢者
が振り込め詐欺の対象として選別されているのであり、高齢ゆえにぼけているとして
狙われるのではあるまい。根底には高齢者のなかに資金を持っている層がある
からこそ狙われるのである。
多額の資金を有する高齢者、労働現役世代をしのぐ高収入の高齢者にまで
一律、国民年金、厚生年金を支給する事により、年金を支払う世代の生活を
破綻させるのは政治の行う事ではあるまい。消費税の税率上昇も前提とする
必要性の議論が杜撰では、将来に禍根を残すのみである。
定額給付金の迷走
総理大臣の無計画な給付金構想の発表以来、その支給額、支給対象、
支給方法、支給時期につき迷走が続いている。
思いつきで発表されたものであれば、潔く撤回する勇気が欲しい。
所得制限はどこに基準を置くにしろ国民全員が満足することはありえない。
高額所得者の辞退を期待するということは、見方をかえれば良心の踏絵
を強いる事である。辞退しなかったからといって罰則を用意することは
おそらく不可能であろう。
支給が決定されてもそのために要する事務量、事務費用は膨大なもの
とならざるを得ない。
いまなすべき経済対策はこのようなものではあるまい。一番重要な
弱者、中小企業者、非雇用者などの救済であり、効果が疑問視されている
定額給付金では無い。
フランクリン・ルーズベルトの1941年の年頭教書でのべられた四つの
自由の第3に欠乏からの自由(FREEDOM FROM WANT)がある。
自由に含まれるものが餓死の自由であってはならない。
いま本当に給付金を出すのであれば、経済的困窮状態にあり餓死か、
自殺かの選択を迫られかねない人々への生活保護等の拡大による支給を
早急に実施すべきではないのか。
行政の最高責任者たる総理大臣の思いつきをいさめる閣僚がいない
ことに暗澹たる思いを禁じえない。
登山では引き返す勇気がたたえられる。
政策も実行に障害が多ければ、取りやめる勇気が必要であろう。
過ちて改めざるこれを過ちという。
小室哲哉ー 杜子春の悲劇
全てが結局のところ自己責任であり、犯罪行為を行った小室哲哉が悪い。
弁護の余地はないだろうし、、その必要もなさそうである。
自己の才能に陶酔することは、けっして悪い事ではない。だか、現実を
しっかり見据えることをおこたったツケは重い。
だが、巨額の資産を使い切り、借金まで重ねる段階には、なにかしら
ものの哀れをさそうものがありそうだ。
砂糖にたかる蟻のように、甘い密にたかった人間はいったいどれほどの
人数であり、浪費させた金額はどれほどのものであったのか。
所得番付にのり資産をゆうしていることが明らかになった時点で、ちゃんと
した資金管理、運用のできるパートナーを準備する必要があることの戒め
として記憶すべき事例というべきかも知れない。
金銭にめぐまれると回りにその金目当ての人間が近づき、言葉巧みに
浪費させ自己の金銭欲を充足させる輩のなんと多い事か。杜子春の物語
を想起させられるようである。
クローン人間誕生への一里塚
死滅細胞からクローンマウスが誕生したようである。これでクローン
人間への道がまた一歩進んだ事になろう。
富裕層の中には何年か何十年か、あるいは何百年かののちに
クローン技術によってみずからのクローンを誕生させ、現在と同様
の優雅な暮らしを実現しようと考える人間が存在している。
現在保有する資産を信託等により運用、保管し将来クローン人間と
なって再び優雅に暮らしたいという欲求は、それが単なる夢想に
とどまらなくなるのである。
クローンは確かに遺伝的には原初のものと同一ではあるが、
要望、性格、能力等は同一ではなく、完全に別の存在である。
一覧性双生児は遺伝的には同一の遺伝子、DNAを有しているが
確実に別の性質をもった別個の存在である。
クローンペットが既に実現しているが、元の固体とは明らかに別の
存在である。
科学者はできる事としてよいかどうかということの双方を慎重に
判断する必要がありはしないだろうか。
一時に多数の人間を殺すことの技術はすでに核爆弾をみれば
明らかなように出来るから、需要があるからとして作成されてしまっ
ている。
クローン技術も純粋学問的な興味だけで進歩していくことに
大いなる危惧を覚える。
税法は簡潔をもって良しとする。
消費税の3年後の増税が取りざたされているが、食料等につき税率を
その他のものと区別して低くしようという主張が見うけられる。
たしかに生活必需品の食料などに考慮すべきという意見は実に
口当たりの良い主要である。
だが、その経理処理を担当する中小企業、会計当事者の負担を
考慮に入れている議論とはとうてい思えない。
税率の違うものを適正にコンピュータで処理出来る資力をそなえていない
場合にはその経理処理はいったいどうすれば良いのか。
現在同じ店で多種多様なものが販売されており、税率の違うものを
同時に購入するケースが多い事は説明するまでもあるまい。
消費税の納税義務者は売上た商品等にかかる消費税の額を計算し、
支払った商品、交通費、通信費などの課税仕入にかかる消費税を
計算する必要がある。多種多様なものを販売する企業、商店などの
領収書をみるだけでは、実際問題として支払った消費税の金額が
不明となる場合がほとんどと言わざるを得ない。明細不明の領収書では
処理不能なのである。
現行の消費税でも、たとえば家賃は居住用の場合は非課税、事業用
であれば課税と、利用形式により区別されている。郵便局で買う切手は
課税、収入印紙は非課税である。
ゴルフ場では利用税、温泉では入湯税は本来非課税なのである。
この複雑さが拡大すれば、どう経理処理するのか。これを自動的に処理
するシステムは多額の費用を必要とする事となろう。その費用負担が
できないおそれにも注意を払う必要がある。
多重といわれようが、売上に一律税金をかける売上税の簡便さのほうが
実は望ましかったのである。