やさしい裁判講座……有罪率
刑事事件で裁判所へ検察から起訴され、裁判官が犯罪事実を認めた
場合に有罪の判決が下されます。起訴された数に対して有罪と認定
された数の占める比率を有罪率といいます。
日本の裁判はその有罪率の高さで知られています。
どうして有罪率が高いのかは、ちゃんと理由が在ります。
刑事事件の一連の流れを見てみましょう。
まず、犯罪が起きたことが、警察、検察によって認知されます。
次に捜査によって、被疑者を発見し、任意での取り調べが行なわれます。
日本の場合、いきなり逮捕というケーススの方が少ないようです。
勿論、現行犯の場合は含みません。
そして、検察庁に身柄、あるいは警察官作成の調書によって送致されます。
検察官は犯行の事実のみではなく、裁判、公判で有罪が勝ち取れるか
どうかを判断して起訴、不起訴を決定します。
警察、検察いずれの段階でも、その犯罪が微罪である場合には、説諭、
つまり二度としないように叱り、諭して放免することも出来ます。
起訴猶予と呼ばれる手続きです。最近の芸能人の飲酒を発端とする例を
ひけばこれに該当します。
裁判所に起訴された段階で、既に有罪を予想できる事例がほとんどで、
無罪の推定という理念が歪んでいるという見解には、誤解も含まれている
ようです。
警察、検察ともに役所、警察官、検察官は公務員、やはり業務上の失敗は
その出世に響くのは民間とも変わりはありません。慎重に捜査、起訴する
姿勢は、原理原則によるとばかりは言えません。
但し、素人参加の裁判員は、こうした事実をしっていても、あくまで、
無罪の推定、疑わしきは被告人の利益にという基本を堅持する必要が
あります。