ビッグ3への金融支援について
米自動車大手3社が米政府に金融支援を要請している。
3社合計の支援要請額は最大で340億ドル(約3兆2000億円)
となっている。
3社の経営危機は今回の金融危機だけがその原因ではない。
従来からの販売不振が何ら解決策を講じることなしに、漫然と
経営を続けてきたつけが大きいといわざるを得ない。
石油価格の高騰にも早急な対策が打てず、ローン金利をゼロに
する等の小手先の延命策をとりつづけてきたことが真の原因
であろう。経営者が受け取った報酬額は、破綻したいわゆる
投資銀行の経営者たちと同様、巨額なものである。
そして、再建計画では報酬を1ドルにする等といわれているが
既に受け取った報酬を返還する等の話は聞こえて来ない。
こんな企業に金融支援をすることが、はたとて有効であるとは
俄には信じがたい。
現在の自動車産業界は世界中のメーカーが何らかの形で
資本提携あるいは技術提携を行なっており、ビッグ3の破綻は
世界中の自動車メーカー、ディラーに及ぶことは論を待たない。
しかしながら、米政府が金融支援に応じることは、米国内のメーカー
を優遇することであり、ヨーロッパー、日本をはじめとするアジアの
自動車メーカーとの国際競争を阻害する保護主義政策との批判
を免れることはできまい。
早晩ヨーロッパからの異議の声があがることは必定であろう。
日本のメーカーは破綻の危険度は低いであろうが、しばらくは
販売減に苦しむこととなる。このうえビッグ3に肩入れをされれば
本当に苦境におちいるメーカーがでることも危惧される。
公正な競争を阻害する手段を講じないかぎり、世界の非難を
浴びることとなろう。
それにしても、日本の面積の25倍の面積を持つ米国の
鉄道総延長距離は2005年で226,612km
日本は2006年で29,682km。
米国の鉄道事業も見直す必要があるのでは無いだろうか。