平成27年9月19日
雄勝町大浜の葉山神社で遷座祭が行われました。
東日本大震災津波により被害にあった御社殿が遂に完成したのです。
遷座祭、神様を仮宮から新しい御社殿にお運びするお祭りです。
本当にめでたい日、記念すべき日です。
被災する前の御社殿です。
遷座祭、生涯二度と経験することもないかもしれない祭り、関係者は2時間前から正装し、リハーサルを行いました。
リハーサルの様子
↓↓
仮宮としている社務所より御社殿に遷座する練習です。
この時には既に、ピーンと張った緊張の空気が流れていて、人生の先輩方もリハーサルを真剣に行っておりました。
プレハブを仮宮として3年
社務所を仮宮として1年
やっと新しい本殿にお移りいただけます。
予定通りの19:00遷座祭が執り行われました。
ご神体は千葉宮司が抱え、その四方をを白い布で隠しながら列は進みます。
仮宮をご神体が出た段階で、すべての照明は落とされ、提灯の明かりのみで一歩一歩静かに神様は新しいお宮に移動していきます。
いよいよ遷座祭も後半、新しいお宮に、もう少しで到着です。
満点の星空の下、どこまでも張りつめた空気、それでも心地よい緊張感。
列が一歩進むごとに、3.11からの記憶が、一枚ずつめくられ、4年という月日が
けして短くない時間だと実感するほど、色々な記憶がよみがえりました。
ここ、葉山神社は雄勝法印神楽の拠点、神楽師としても本当に色々あって、遷座と共に蘇る記憶は、辛さを乗り越え前を進もうとしている人々の精悍な姿でした。
私達神楽師は、強く生きようとしている皆様と共に歩ませていただいている。
そんな地区の皆様に、私達神楽師は一体何ができるのだろう。
答えは、神楽を舞う事、だって雄勝法印神楽師だから。
基本、神様へ奉納するために舞うのです。
でも、神様は、自分を一生懸命崇敬する皆様を喜ばせなさいと優しく返答してきます。(と思います。)
そんな優しい神様の新しい住まいができて、本当に良かった。
神様の引っ越しがすめば、当然引っ越し祝い、
本当は、「神様引っ越しおめでとうございます。」と奉納するのですが、
優しい神様は、遷座に関わったすべての人にねぎらいをくださって、
だから、遷座後の神楽は、神様に向かってではなくて、人々に向かって奉納したんだと思います。