昨日、周りにいる生き物のことを書いたら。
「ボスはどうしてるんでしょう」というメッセージをSNSでいただいた。
ああ、うれしい。
野良猫ボスのことを覚えてくださっているなんて。

で。ご報告を。
野良猫の寿命は、早いと二年などといわれながら、ボスは長生きしています。
いっとき、その姿が見えない時もあり、ああきっと死んじゃったんだなあと思っていたら。
最近また復活。
ただ、毛並みはかなりヨレております。
それと、ボスと名付けた当時のような威圧感はとうになく、先だっては、いつもくつろぐ物置の屋根にのぼろうとする新顔の茶猫におびえ、あわてて屋根から降りました。
その際には、ドスンと大きな音がして、そこにもボスの老いを感じました。
これまで、この屋根は自分のものとばかり、誰が来ても追い返す貫禄があったのに。

今朝、ボスはまた屋根で寝ています。
おそらく夜中からここにいるのでしょう。
その寝姿は、子供の頃よく見た「猫の死骸」にも似ています。
生きてる死んでる、この違いを動物たちは子供に教えてくれました。
魂が抜け固くなった姿は、それまでのものとは違う。
厳然とした生き物の宿命を、彼らは教えてくれたのですね。

で。ボスですが、そろそろ起きてコソコソどこかへ行くでしょう。
この夏を無事乗り切れるよう、声をかけます。
といっても言うのは「ボス!」と一言だけ。

そしてニンゲンの私は、同じように老いた母親の訪問診療に。
猫も人も、この世界、この時を、懸命に生きます。