いつもサポートしてくれているピアノの大貫祐一郎さん。
先だってリハーサルで。
「クミコさん、唄いに来てくれませんか」
え、なにそれ。
「杉田真理子さんの店で僕、ソロコンサートするんです」
お。シャンソン歌手の杉田さんの店は「蛍月」という池袋の日本酒の店だ。
かねがね気になって仕方なかったところ。
行く行く行く!!
ということで、昨夜池袋に出かけた。
池袋は、もうかつての池袋ではなく、他の盛り場とも違う。
近くにアニメロードがあることもあって、若い人が多い。
アニメ好きぽい感じの人が多い。
とにかく人でいっぱいで、目が回る。
そこから、店を目指すが、数年前にぼろぼろだった豊島公会堂あたりは、もう高層ビルになっていて、また、目が回る。
なんだこれええ。
と、時の流れの速さに驚き、でも、所々昔のイケブクロな感じの建物を見てホッとしつつ到着。
大貫さんは、じつに聡明なのだ。
そんなことはわかってはいたけど、その聡明具合が、一人での舞台だとよくわかる。
おしゃべりがうまい。
そこに私が突然出て、しゃべくり散らかし、「愛しかないとき」を唄う。
これは大貫さんのリクエストで、そうか、大貫さんは「愛しかないとき」を好きでいてくれる人だったのだと、今頃わかる。
クミコさんが若い時作られた詞なんですよね。今もいろんな人がこの詞で唄ってますよ。
と言ってくれる。
なんだかうれしい。
大貫さんと知り合ってから、もうだいぶ経つ。
まだ彼が二十代だったころからだから、十年以上だ。
その間に、彼は大きなピアニストになった。
誠実に丁寧に仕事をしている証拠だ。
だから、次から次へ人との縁がツナがったのだろう。
今では、井上芳雄さんのサポートもしている。
昨日のライブは、彼を見出した方の主催だった。
まだ学生の大貫さんを見込んで仕事を頼んだそうで、それは自分の眼力ですと、控えめにおっしゃる。
そうか、そこから大貫さんは、今にいたるのだなあ。
なんだか良い人生行路を見られたようで、気持ちがいい。
実は、私たちは大貫さんをヌキオと呼んでいる。
ひどいじゃない、そんな呼び方。
と、この頃は自省するのだけど、ついヌッキーとか言ってしまう。
「クミコさんのスタッフって名前のつけ方うまいんですよ」
と、大貫さんはいってくれるけど、はてさて、これからはどうしたものか。
でも、やっぱり、もしかして大貫さんが大御所になっても、ヌッキーとかヌキオさんとか、呼んでいたいなあと思う。
そんな関係でいたいなあと思う。
どうでしょう、大貫さん。