昨日。
父親の病院帰りに。
タクシーの中でぽぽぽんとスマホで更新したはずのものがアップされていない。
やはり、焦ってぽぽぽんはダメだった。
不注意若造医者とのバトルを書いたのだったけど、一日たてば、怒りの鮮度も落ちた。
もういいや。
で。
夜。
NHKスペシャルのインパール作戦のドキュメントを見る。
先だって。
作家の西村京太郎さんがインタビューで。
「日本人は戦争にむいていない」と言っておられた。
他の国は、死なないこと、生存することが最重要になる。
(これって、当たり前だけど)
ところが日本は、いかに死ぬことかが重要になる。
死んでこそ、が美徳になる。
インパール作戦は、指揮官の愚かさで、多くの人が死んだ。
戦闘ではなく、飢えや病気で死んだ。
この作戦だけじゃなく、ほかのものでも、たいていこうだ。
食料や武器の補給もなく、ただただ精神論で道なき道を進む。
なにも食べてないのに、寝てないのに、何百キロも歩かされ、そうして力尽き、それでも、そんなの精神がたるんでいるからだと殴られ叩かれ。
こうして、多くの人が死んだ。
敵に殺されたのではない、味方に殺されたのだ。
なんだこれ。
なんだこれ。
戦争を「いくさ」という。
父親は、いまでも「いくさ」という。
戦争は「いくさ」になったとたん生々しく、動き出す。
「あの日は、洞穴にいたわよ」
母親がいう。
7月の空襲で家を焼かれたので、偕楽園下の洞窟にみんなで暮らしていたのだ。
その中で、8月15日が来たのだ。
ティーンエイジャーの二人は、もう老人。
72年の月日を、消えない糸のように手繰り寄せ、また愚かなことが起きないよう、しっかりとしなきゃ。
雨ばかりの夏に、思った。