久しぶりに飲み会に行く。

 

普通の人ならまだ仕事中の夕方。

 

こんな時間に乾杯できるなんて、なんか後ろめたいなあといいながら、これぞ中高年の特権とばかり。

 

 

 

あのさあ、じつはすごいことがあって。

と一人が口を開く。

 

 

なになに。

 

 

家へ帰ったら、夫が家じゅうの水が出ないっていうの。

で、なんだこれと探したら元栓が閉まってて、そんでもってポストにメーター検針の人からの投函があったの。

 

 

ふんふんそれで。

 

 

どこかで漏水があるようなので、とりあえず元栓を閉めました。って。

どこだろうって探したら、どうやら洗面所の下らしい、ごおごおっていってる。

 

 

へえ。

 

 

それでさあ、そこに書いてある料金見たらいくらだったと思う。

はじめ、え、これって3万、ってビックリして。

でも、もっとよく見たら。

36万!!!

 

 

ひえええええええ!!

 

 

それからさあ、元栓ちょっと開けてはペットボトルとかに汲み置きして、すぐ閉めて。

明日、業者の人が直しにきてくれるまでこの生活なんだよ。

 

 

 

わずかな水で顔を拭き、口をすすぐ。

蛇口をひねればすぐに水がでてくる、そんな生活に慣れた私たちは、ああ、普通って、普通じゃないんだよなあやっぱりと、うなずき合った。

 

 

 

ところが。

 

駅への帰り道。

 

 

唯一の男性友人が。

 

 

実はねえ、うちも昔、いまのマンションに越してきたとき、漏水やっちゃったんだ。

かみさんが、洗濯機の水出しっぱなしで留守しちゃって。

下の階まで流れてって。

 

 

ひええ。そんでどうなったの。

 

 

うん、300万かかった。

 

 

 

ぎええええええええ!!

 

なんとまあ、これじゃあ落語だ。

 

 

 

しかし、どれも他人事じゃない。

 

 

あやういバランスの上に成り立ってる、この便利な生活。

 

心しないとなあ。

とつくづく。