昨日 長年の友人 いや戦友といってもいい



俳優の篠井英介さんのお芝居を 観にいった



「天守物語」




これが最後のお姫さま役ですから  



なんてご挨拶状に 書かれていた英介さんだが



英介さんのお姫さまは



もう時空を超えていた




所作の一つ一つに ココロが込められ



言葉の一つ一つが くっきりと輪郭をもつ



すべてに 英介さんの人生が 映され



私は もう涙が止まらなかった




芸と人とは こういうものなのだ




ひたすら芸と向き合うってのは



人生と向き合うこと




いい加減な人生は いい加減な芸になる



リッパとかマジメ とか そういうことじゃなくて



それぞれの 人生と きちんと向き合うこと




それが  人を感動させられる芸につながる





「英介さん よくやったってオカアサンのように思ったよ」



英介さんに そういった




抱き合って泣きたい気持ちになった




これまでの長い時間が 見えた




良くやってきたよね 二人ともさ



なかなかしんどくて 大変だったね



でも がんばってきたよね



投げ出さずに すねずに あきらめずに





まだ 若者ともいえた頃の私たちは



すでに 中年になって



そろそろ 老年の声がきこえてきて




でも おんなじだ





これからも きっとずっと ココロがつながって



それぞれの芸を 生きていく



地道に こつこつと



ただ 歩いてく




寂しい 孤独な道すがらだけど



一人じゃないって



そう思えることって



幸せだ




ありがとう 英介さん