またまた台風ですね。
いかがお過ごしでしょうか。
久々のブログです。
ご無沙汰いたしました。

さて、昨日、主催の方に席を用意していただき、熊川哲也さんが振付、演出を担当したバレエ『クレオパトラ』を観てきました。
いやあ、もう圧巻の一言。
バレエダンサーとしてスポットを浴び続けてきた彼ですが、振付、演出家としての才能もすさまじく、ああいう人はこの先何年も出てこないのではないかと思います。

彼とは、以前所属していた事務所が一緒でした。
今回も、舞台後の彼に会いに行ったのですが、「先生、太ったねえ、わかんなかったよ」ときつ〜い一撃を見舞われました。わはは。
言いたい放題を言う人なのですが、でも憎めない、とにかくチャームのある人なのです。

そもそもバレエを、女こどもが観るものなんて思っておいでの方がいらしたら、是非一度足を運んでみてください。
熊川哲也という人自身がかなり男っぽいきっぱりした人で、彼が作る物やその審美眼は本物です。
踊り手としても、ローザンヌ国際バレエコンクールで、日本人初の金賞を授与され、英国ロイヤルバレエ団に東洋人として初めて入団するなど、その実力は皆さんご存じでしょうが、彼が踊る姿を見るとため息が出ました、本当に。
何が違うのでしょうねえ。とにかく、確かな力量とともに華があり、惹きつけられずにはいられないものがありました。
ダンサーとしては、もう踊ることはないのかもしれませんが、演出家としての力で、これからも人々を感動させ続けることでしょう。
『クレオパトラ』は残念ながら今日までです。
再演があったら、男性も、お一人でも、女性を誘ってでも観てみてください。

まず、「言葉」のない踊りだけの世界で多くの物を表現する世界に触れていただきたいのです。
そして、バレエを構成する彼の能力のすごさに驚いていただきたい。
私の仕事もドラマを構成するところから始まりますので、ここが面白くないとお客さんは引き込まれずシラけます。
これがうまいものは、舞台でもドラマでも映画でも、「うまいっ!」と叫びそうになります。
なかなか出会えませんが……。

そして、彼が本当にすごいのは、お客さんを徹底的に楽しませるという覚悟。
芸術芸術と人はよく言いますが、絵画でもなんでも、人の心を大きく揺さぶる物のないものを、私は、芸術とは呼びたくないのです。
最近、なかなか「本物」と出会えず寂しい思いをしていた私としては、昨日は感激し、また救われたような気がした次第です。はい。

大河ドラマ「江」でご一緒した俳優の市村正親さんとも久々にお目にかかれ、ご挨拶しました。
息子さんとご一緒にいらしていました。
お母さんよりお父さん似かな。
かわいらしい坊やでした。

なにはともあれ、台風、油断できません。
お気をつけくださいませ!