くまさんクリニックからのお願いです(第2版)
~新型コロナウィルス感染症を広げないために(訪問診療版)~
拝啓 立夏の候、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
先月、新型コロナウィルス感染症を広げないために、書面を通じてさまざまなお願いをさせていただきました。皆様には、快くご協力をいただいておりますことを心より感謝申し上げます。
残念ながら、まだまだ北海道・札幌市においては、新型コロナウィルス感染症の勢いは一向に衰える様子がありません。一方で、新型コロナウィルス感染症については、国内外において重要な知見が集積されてきました。
新たな情報を参考にし、当院では先月お願いさせていただきました8項目のうち、5.発熱や風邪症状などがある場合と、6.の個人防護具の着用に関しまして、内容を変更・追加させていただきました。1日も早く新型コロナウィルス感染症を終息させられるよう、引き続き皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
1. 診察前後に手洗いをさせてください
液体せっけん・ペーパータオルはクリニックから持参しております。洗面所などで水道をお借りして、診察前と診察終了後(そのほか手に血液や排泄物などの汚染物質が付着した場合など)に手洗いをさせてください。
2.湯茶等のお心遣いはご遠慮させていただきます
患者様やご家族様に感染を広げないため、また、当院の職員自身が感染するリスクを減らすため、訪問中はマスクを外さないよう、マスクを触らないようにしております。
そのため、湯茶等のお心遣いはご遠慮させていただいております。ご理解いただきますようお願い致します。
3. ご自宅の体温計や血圧計をお持ちの場合には、診察時に使わせてください
当院で持参している体温計、血圧計、SpO2モニター、聴診器は毎回使用するたびにアルコール消毒を実施しています。しかし、各ご家庭にお持ちの体温計や血圧計などをお借りすることで、より感染症を伝播してしまうリスクを下げることができます。ご自宅にこれらのものをお持ちでない場合には、今まで通り当院のものを、アルコール消毒を徹底した上で使用させていただきます。
4. 当院の訪問前後にお部屋の換気をお願いします
新型コロナウィルス感染症を予防するためには、お部屋の換気が大変重要です。当院が訪問させていただく前には必ずお電話をさせていただきます。訪問の5~10分前にお部屋の換気をお願いします。また当院の訪問診療が終了した後にも、お部屋の換気をお願いします。その他、大量の飛沫が発生する可能性のある処置(喀痰吸引など)を実施する場合にも、適宜換気をお願いする場合がございます。
5. 発熱や風邪症状などがある場合には事前にご連絡をお願いします
発熱などの症状があり、新型コロナウィルス感染症に罹患されている可能性が考えられる場合、他の訪問患者様への感染拡大を予防するため、患者様の全身状態が許す場合には、訪問の順番を最後にさせていただきたいと考えています。訪問時刻の変更をお願いさせて頂く場合がございますことをご了承ください。また、個人防護具の準備も必要となりますので、事前のご連絡をお願い致します。詳しくは6.をご参照ください。
6. 必要時の個人防護具の着用にご理解とご協力をお願いします
① 当院の職員の個人防護具の着用について
私たち医療従事者自身が感染しないよう防護を徹底することが、患者様・ご家族様・関係者の皆様へ感染を広げないための大前提となります。現時点では、症状だけで新型コロナウィルス感染症を診断することは極めて困難な上、発症前の無症状な状態でも感染力があることが分かってきました。
2020年4月20日に国立感染症研究所の新型コロナウィルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領が改定され、新型コロナウィルス感染症感染者と接触した日のはじまりを「発病した日」から「発症した日の2日前」に変更されました。
そのため、当院では、患者様の症状に関わらず、診察の際には常にサージカルマスクに加え、ゴーグルもしくはフェイスシールドと手袋を着用させていただくことにしました。
さらに、患者様に発熱、咳、くしゃみ、鼻水などの症状がある場合には、N95マスク、使い捨てガウン、キャップなどの個人防護具を着用させていただきます。これらの症状がある場合には、ご自宅の玄関に入らせていただく前から個人防護具を着用することが必要となりますことをご了承ください。また、事前に準備が必要となりますので、発熱や風邪症状がある場合には、訪問前にお電話等でご連絡をいただきますよう、お願い致します。
② 患者様および診察に立ち会ってくださるご家族様・関係者の皆様もマスクの着用をお願いします
患者様や診察に立ち会ってくださるご家族様や関係者の皆様にも、症状の有無にかかわらず、できる限りマスク(布マスクを含む)の着用をお願い致します。
もしご自宅にマスクをお持ちでない場合には、当院よりマスクをお渡しいたします。
7. 新型コロナウィルス感染症の検査は現時点では当院では実施できません
新型コロナウィルス感染症に感染したことが強く疑われる場合には帰国者・接触者相談センター(札幌市在住の方の場合は、011-272-7119、#7119)に相談が必要です。訪問診療を受けていただいている患者様やご家族様、介護に関わる関係者の方等に新型コロナウィルス感染症に感染したことが疑われる場合には、当院にもご連絡をお願いします。感染を広げないための対策を一緒に検討します。
8. インフルエンザ迅速検査について
インフルエンザ感染症が疑われる方の中にも、新型コロナウィルス感染症の方がいらっしゃる可能性が否定できません。検査の際に、多量の飛沫が発生する可能性があり、二次感染のリスクが極めて高い検査であるため、できる限りこれらの検査は実施しないで診療を行いたいと考えています。しかし、万が一それらの検査が必要不可欠となった場合には、上記6.のような個人防護具を装着の上、ご自宅の窓を開けて換気、もしくは屋外で実施させていただきます。インフルエンザ治療薬に関しては、検査をしなくても臨床的に疑わしい場合には、インフルエンザと診断してインフルエンザ治療薬を処方することが可能です。
以上、改めましてご理解とご協力をお願い致します。また、改善が必要な点などがございましたら、ご指摘をいただければ幸いです。引き続き、新たな情報や状況に応じて、日々対策を見直して参ります。
皆様の日常生活におかれましても、疑問点などがございましたら、ご相談ください。
どうかよろしくお願い申し上げます。 敬具
【参考資料】
●国立感染症研究所
積極的疫学調査実施要領における濃厚接触者の定義変更等に関するQ&A(2020年4月22日)
●日本環境感染症学会
医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド 第3版
http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/COVID-19_taioguide3.pdf
●日本在宅医療連合学会 COVID-19関連情報
診療に役立つ情報 在宅医療における新型コロナウィルス感染症対応 Q&A
https://www.jahcm.org/assets/images/pdf/COVID-19_Q&A.pdf
令和2年5月7日
医療法人社団ありがとうの風
在宅療養支援診療所くまさんクリニック
理事長・院長 熊谷明史
副院長 熊谷範子