【壊す女】

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保険の営業をしている友人は仕事上、かなり顔が広い。
いろんな客のもとを回っていると、合コンなどの企画を頼まれたり、異性の紹介を頼まれることもあるようだ。

その余波を受けて、飲み会に呼ばれたり、1対1で女性を紹介されることがある。
でも、俺はすっかり恋愛ってものに臆病になっている。面倒になっていると言ってもいい。
だから、そういう機会を友人が持ってきても、その場しのぎで顔を立てる程度にしていた。

しかし、先日、友人から紹介された女性は、自分の好みだったし、向こうもまんざらでない様子だった。
久しぶりに俺は、前向きに考えてみようと思った。

そこでだ、問題はあの女だ。

俺は会社の同僚に付きまとわれてかれこれ1年経つ。
自宅に押しかけられたり、怪我をさせられたりして、すっかりうんざりしているが、会社で所属を変えてもらうくらいしかできずにいる。

言っても無駄かと思ったが、ストーカー女に「本気で付き合いたい人ができたから、もう連絡しないでくれるか」と告げた。

やはり言っても無駄だった。
彼女と会っていると、執拗に鳴るケータイ。
メイルと電話がひっきりなしだ。

彼女には、「付き合っている人がいるのに、私と遊ぶつもりなの?」と言われ、紹介した友人には、「信用してたのに、ひどいやつだ」となじられ、全て台無しになった。

ストーカーに遭っていると説明したところで、そう簡単に信じてもらえるもんでもない。
もし、ちゃんと説明して信じてもらえたとしても、怖がられて離れてゆくだけだ。

俺は、こうしてずっと新しい出会いを壊されていくのだろう。
もう、女なんて恐ろしい生き物は、うんざりだ。




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トモヒロのストーカー事件をトモヒロの視点で書いてみました。
この話も本人に聞いた本当のお話です。
10月1日の【トモヒロの災難】では書かなかったエピソードです。

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【トモヒロの災難】

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先日の素敵な仲間達との飲み会で怖い話を聞いた。

トモヒロが見せた腕に残る傷跡から始まった話である。
その傷は爪で深くえぐられて出来た傷で、その傷をつけたのは、トモヒロと同じ職場の女だ。

トモヒロの自宅にやって来たその女は、夜中であろうと家のドアホンや電話を鳴らした。
親や兄弟と暮らすトモヒロは、放置しておくわけにもいかないので、外に出て行ってた。
話し合いはまったく進まず堂々巡りで、とりあえず今日は帰れと家に戻ろうとするトモヒロにしがみ付いた女は、ぐいぐい力を加えてその傷を残した。

トモヒロはその女にストーキングされているのだ。

世の中によく聞くストーカー話のように、個人ケータイへの電話やメイルの着信は恐ろしい数だ。
それにとどまらず、内線PHSにまで電話をかけられ、業務上必要な電話がなかなか繋がらなくなったこともある。


一番驚いたことは、その女の父親に呼び出されて殴られたという話である。
娘の帰りは遅いし、ケータイ代も跳ね上がった、お前は娘をたぶらかしているのか、ということらしい。
他にも、金をせびってヒモみたいなことをしやがって、などとあることないこと言うその親。
その女の狂言を全て鵜呑みにする親。
トモヒロの弁解など聞いてもらえなかった。


この話を飲み会の後半でこの話を聞いた私たちは、ひどく寒気に襲われた。
私たちと言っても、トモヒロと同じ職場の男性陣は知っていたので、私をはじめとする女性陣のことである。

全体で見れば楽しい飲み会だったが、最後に少し嫌な後味を残した。


そして、その数日後に女性陣のみで食事に行った際、トモヒロのストーカー話になった。
こんなことって本当にあるのだな、とそれぞれに恐怖と興味を持っていたようで、自然にその話になったのだ。
時間も経ち、本人不在ということもあって、冷静に客観的に見た話ができたのではないかと思う。
その過程で、もしかしてトモヒロも最初に悪さしたんじゃないかという話になり、一気にトモヒロへの同情レヴェルが下がったのであった。
トモヒロに、そこまで執着される心当たりはあるのかと聞いてみたが、言葉を濁すばかりだったこともあって、すっかり確信してしまったというわけである。


あぁ、このストーカー事件、どうなるんだろうか。
私たち女性陣が、このリアルな現実を前に、少々ドラマを見ているような気分になっていることは、もちろん、トモヒロには秘密だ。

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トモヒロの昇格

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みなさま、こんにちは。熊野マキです。
いつも来てくれてありがとうございます。

早速ですが、お知らせです。
トモヒロのお話を、ブログテーマに昇格させることにしました。
時々、クマのお話に登場する、クマのことを「あねご」と呼ぶあの男です。

なぜかと言うと、おもしろい話を聞いたからです。
おもしろいって言ったら、トモヒロに怒られるわ。
トモヒロにとってはとんだ災難。

とにかく興味深い話を聞いたので、追跡して書いてみることにしました。
と言いつつ、連絡を取る頻度が少なく、ましてや会う頻度となると激減なので、ブログテーマにしたところで、頻繁に出ないかもしれません。

でも、逆に、それゆえに、テーマを独立した方が扱いしやすいかなとも思いました。
書いた本人が、自分でトモヒロの話を拾い集めるのが大変でしたから。
もう9ヶ月近く毎日続けている記事から、トモヒロの記事を探すのは難儀だった。
しかも、探してみたら、意外と登場回数が少なくてびっくり。

トモヒロの災難は、あの素敵な仲間たちとの飲み会 で聞きました。
聞いたときは、文章に直せないと思ったけれど、ネタとしてもったいないなぁって思い、遅ればせながら頑張って書きました。

ネタなんて言ったら、ホントにトモヒロに怒られちゃうわ。
とんだ受難だから。

…女難か!?
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【宴のあと】

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素敵な仲間たち との飲み会に行ってきた。

同じ会社だが、社屋が違うトモヒロとその仲間たちが企画してくれた「あねごの卒業を祝う会」、つまり私の送別会である。

私より早く、去年退社した友人も2人来てくれた。
忙しいながらも来てくれて、飲み会のあと、会社に戻った友人もいた。
残業であいにく1人来れなくなってしまったが、7人で楽しく過ごした。

このメンバーで集まるのは、久しぶりだったこともあって、結果的には、会合の趣旨など関係なく大いに盛り上がった。
会っていない間のお互いの報告話などでは、衝撃的な話も幾つかあったが、皆で意見を言い合ったりして、それはそれで盛り上がり、仲間の結束を感じるものとなった。


今日は、宴のあとの心地よい疲れを感じながら、自宅でのんびりしていた。
そして、昨晩いただいたお花を眺めては、いい仲間に恵まれて幸せ者だなぁと実感している。


【素敵な仲間たち】

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「あねごの卒業を祝う会、22日とかどうでしょうか」

面倒な仕事にうんざりしていた時、メイルがきた。
トモヒロだった。
思わずにんまりしてしまった。

私がこの会社を去るにあたって、トモヒロは飲み会を主催してくれようとしているのだ。
会社のメイルとあって、件名も本文も硬く書いているが、相変わらず私のことはあねごだ。

それにしても、卒業を祝う会という名称はどうか。
卒業って、アイドル集団じゃないんだから。
しかも、祝える状況でもない。
寿退社でもなければ、転職先もまだ決まっていないのだから。


同じ年、正確には学年1つ上のトモヒロが、私と初めて会った飲み会で、私に「あねご」とあだなをつけてから、気づけば数年の年月が経ち、私はこの会社を去ろうとしている。

トモヒロとその仲間達は、社屋も違うし、しょっちゅう会っているわけでもないというのに、こんな風に私の退社に際して、会を催してくれようとしている。
なんて素敵な仲間たちに出会えたんだろうと思ったら、急にとても名残惜しくなった。