『戦国武将と男色ー知られざる武家衆道の盛衰史』という本、読めば読む程、それは誤魔化しでは?の連続で...。
読んでて唯一、中々鋭い!実はそうだったかもねと共感出来そうだった赤松持貞を始めとする足利将軍家とのふしだらな男色関係すら、やっぱり伝わる通りなんじゃないの?という結論に至りがっかりしている。

著者は男色による出世は意外となかったと書いているが、どう考えても男色関係による出世としか見えないゲイカップルの男色関係を認めてしまっていたりする。⬅男色関係による出世を否定したいのであれば、何がなんでも男色関係そのものを否定した方が良いと思うのだけど。

以下は義持との男色関係そのものに疑問を呈し、著者が語る男色による出世も無かったとする例
美少年赤松持貞は将軍足利義持の愛人だったと云われ、男色の寵で一族の赤松満祐に与えるべき所領を持貞に与えようとした為、争いに発展してしまったと伝わる。この紛争は意外な結末で幕を閉じる。
問題の寵愛の赤松持貞は義持の命令で自害させられ、紛争が収まるのだ。
持貞に与えようとした所領は「御料所」で単に預けようとしただけだと著者は訴えている。でも満祐が怒ってるのは事実じゃん

じゃあ、満祐が怒っているのは自分が受けとるべき所領を将軍家の直轄領にしようとした怒りって事?将軍に対する怒りが本音で、持貞に対する怒りはついでだと。
でも、ここら辺の推理よりも持貞が男色による寵愛で所領を預けられる、若しくは与えられたのでは無いという著者の推理を裏付ける決定打が、持貞の自害(勿論、足利義持の命令) 男色による寵愛ならば、可愛いい愛人(または元愛人)を自害させる筈がないという一見筋が通った理論となっているのだけど...ちょっと待った! この持貞って確か前に本で読んだ...wiki で調べて見ると 
自害させられた理由は将軍義持の側室との密通を疑われちゃったんです こういう謀略は女同士でも繰り広げられているようで、寵愛されている男女どちらでも、主君と性的な関係にある人物を引き摺り下ろす常套手段 主君の愛を逆手に取り、浮気の噂を流す 愛すればこそ怒るに決まってる 

そして、著者は自害させられた理由をはっきりと本に書かなかったのは何故?密通を疑われて自害と書いた上で、男色による出世ではなかったと証明して欲しかった

因みに、赤松家の男色の噂は他にもあり、著者が事実と認めてるのが何と自害した持貞の幼い息子 相手は義持の弟の次の将軍義教 しかも小童という記述と、持貞の死亡年齢が若そうな事から、いっていても10歳くらい もしかすると10歳にすらなっていないのでは?と少し吐き気を催す 北条氏康の例でも見られるように同じ一族の者を父と息子(武田家と土屋家)、兄弟で愛したりが普通の時代では、持貞の甥、赤松貞村と足利義教の男色関係を否定する根拠(父と娘(妹か?)の両方に手を出すなんて有り得ない)にも全く説得力が感じられない。
(貞村の娘が義教の側室と書いてあるが、wiki では妹となってる、父娘、或いは兄と妹が同じ主と性的関係を結ぶなんて普通)⬅この程度で大騒ぎする時代じゃないって事。

男色で出世するという事が名誉ではなかったとは私も勿論思うし、反発は当然あっただろう。主に愛され、男色関係になるまでは不名誉ではなく、やや名誉の事と考えられていた雰囲気はある。

でも、著者が上げる男色による出世の例を見た限りでは、男色による寵愛(100%ではないかもだけど)で出世している例は多いと感じるし、著者自身が否定しきれていないように思う。

男色による出世の極端な例も出されている。⬅(男色関係も出世も否定していない)
これまた、足利将軍の義尚が猿楽の稚児彦次郎を寵愛する余り、名字や自分の名前の一部を与え武士に取り立てたという話 
この、やり過ぎの男色関係を「天下沙汰、大名共嘲弄」したと書いてある。
著者の言いたい事は、男色による出世は確かにあったが、こういう事をすれば皆に嘲弄されるので、現代人が考える程、男色による出世はなかったし、男色で出世させる事は身の破滅を招く事にもなるから、ごく一部の人間を除き、出来る限り贔屓による出世は慎んだとでも言いたいのだろうか?

慎しもうとした人間もいた事はいたようだが。
私が笑ってしまうのは、「天下沙汰、大名共嘲弄」された後にも、足利義尚は他の美少年も寵愛したと著者が書いてるところだ。
全然懲りてないやんか
そして私が思うに大名共嘲弄したのは事実だけど、どうせ陰で嘲弄しただけだろう?と
現代社会でさえ殺される訳じゃないのに、どれだけの人間が社長にはっきり物申せるというのか。
上司が間違ってたって媚びへつらい、美しき日本社会では反骨精神よりも周囲に合わせる事を美徳とする。せいぜい酒を飲んで悪口を言うのが関の山。って事じゃない?

次回は徳川家の男色醜聞と信長の弟の男色による自滅から見る、男色による出世の裏側に迫る