いちくんの育児に悩みネガティブな気持ちにばかりなっていた冬。

プレ幼稚園の母子分離の間に
和気あいあいと話して
笑顔で戻ってきて頑張ったねー!と
笑顔で迎えるママさんが心底羨ましい、話したいと
前に書いた。

相談して2ヶ月。
あとプレは少ししかないが
幼稚園の先生と確認し
いちくんと私も母子分離してみようということになった。


ついにママさんと話が出来る…。
少し楽しみ。

私が親の待機室に入ると次々と声を掛けられた。
いちくん、今日は大丈夫なの?
分離やってみたんだね!泣いてないといいね!

いちくん妊娠からの度々の転勤。
ぼっちで過ごすのに慣れきっていた
私は数年ぶりに複数から声を掛けられる事態に戸惑った。

椅子に座って、ママさんの話を聞く。

―うちの子すんごく騒がしくて窓外れちゃいそうでー!
―いつもお昼ご飯ってどうしてる?やっぱり外食?どこで食べてる?おすすめありますー?


どういうこと?
全然意味が分からないぞ? 

考えている私をよそにどんどんママさんの話は進んでいる。
全然話さない私に気を遣ってくれたのか
優しいママさんが私にも話を振ってくれた。

悩んでることを話す雰囲気だったので

私もいちくん少食で悩んでててー。発達遅めだし幼稚園少し心配なんですー。
のようなことを話したが、そこに少食の子を持つママさんはいなかった様子。

―へー。どれくらい食べるの?
そんだけ!?えーありえなーい!大変だね!
うちは朝からずーっと公園で遊んでて帰らないの。だからお昼食べられなくて…。いっつも外食で嵩んで大変なんだー!

ふーん。そういうことか。やっと意味が分かった。
なんか悩んでることってみんな全然違うんだね。
当たり前か。

放送が入り、お迎えの時間。
ママを見つけた子供達が一斉にドアをバンバン叩き始めた。
窓が外れそうってこういうことか…。

いちくんは教室の隅で泣きながら粘土を両手に持っていた。全然楽しそうじゃない…
いちくんは…叩かないだろうな。
隅っこでしくしく泣いてる感じ。

いちくんはしくしく泣きながらもママー!と泣き叫ぶことはないらしく、
母子分離はそのあとも何回か成功した。

一方の私はというと何回か
他のママさんとも話したが
なんとなく話が合わない。

というか
お互い相手の悩みが違うことに尽きるらしい。
お互いバックボーンも知らないし、
会話も続かない。

ママさんから
あのママは戸建てでー、旦那さんはー、もうすぐ下の子が産まれるんだよねー。 
あのママはー。働いててー、…凄い情報垂れ流し。

定住者ネットワークこわ…。すご…。
私はお隣さんすら覚えてないや(笑)
 
…分かりあえる相手なんてなかなか居ないのか。
まぁ学生時代だって気の合う人なんて
一握りでなおかつ子供が絡むんだから
そうそう合うなんてないのかも。
ご近所さんならまた話は別なのかしら。
定住を知らない私にこれは分からない。

確かに書面にはない
園情報は飛び交い有益は有益だが
知る必要のあることは書面でくるだろう。
しっかり読んどこう。

あんなに羨ましく
あんなに話すことを渇望したのに
次の転勤ももう決まっちゃったし
必要最小限でいいや。
まさかのぼっちに戻ることで落ち着いた。

―バスの時間って決まりましたー?誰と一緒になりそうなんですか?
え…。知りません。
―くまみみさんってーご近所付き合いしないんですかー?

あはははー。する気ゼロ。
だって来年どこに住んでるのかも
分からないしー。する意味ある?そんなこと。
また冷徹な私が顔を出した。

私にママ友出来ないな。

作る気もない本心に気付いて笑った。

度重なる引っ越しと数年のぼっちは
私からコミュ力も相手を気にする気力も
相手を知ろうとする愛も奪ったらしい。

私はいちくんが産まれる前からの
友人を大事にしよう。
コロナが終わってからも
リモートかもしれないけど。
転勤が落ち着いたらみんなに会いに行きたい。
なんてきれいごとを並べてみる。

リモート飲み会しない?とLINEした。 

定住するまで
インスタの素敵なおうちアカウントを眺めて
妄想を膨らますこととしよう。 

寸法のあってない家具と最小限の収納家具。
要らないものは全て削ぎ落とし
お洒落インテリアはないし
収納もその場しのぎのすっきりしない我が家。

住まいも思考も子供も
転勤に振り回されている。

早く定住したい。
その時にママ友の重要さを実感し
えー。ご近所付き合いしないんですかー?と言うママに私もなるのだろうか。