過日、『ボダ子』(新潮社)を上梓された
赤松利市さんのインタビュー記事を書かせていただきました。
記事はこちらで読めます。
https://www.jprime.jp/articles/-/15720
赤松さんは去年、
『藻屑蟹』で第一回大藪春彦新人賞を受賞してデビューした
新人作家さんです。
“62歳、住所不定、無職”という
デビュー作のキャッチフレーズが強烈で
どんな作家さんなのだろうと興味を持っておりました。
そして、4作目の作品『ボダ子』の刊行の際に
取材の機会をいただきました。
『ボダ子』の主人公は元会社経営者の男性です。
バブル崩壊後に会社が倒産し、
彼は境界性人格障害(ボーダー)の娘とともに
東日本大震災後の東北で土木作業従事しつつ再起を図る
というストーリーなのですが
とにかく、いろいろな意味で衝撃的な内容です。
そのため、御本の内容について
なにをどこまでお尋ねしていいのかが分からず
取材前から途方に暮れてしまいました。
さらに、事前に赤松利市さんに関する情報を調べるなか
お写真でご尊顔を拝したところ
非常にコワモテの印象で、
「へんな質問をして怒られてしまったらどうしよう……」と
不安は募るばかりでした。
そのようなわけで、
緊張のあまり、ものすごく早く家を出たところ
45分前に取材場所に着いてしまい、
当然のことながら、どなたもいらしておらず。
どこかでお茶でもして出直して来ようかと思っているうちに
なんと、赤松利市さんご自身がいらっしゃり
しばしの間、歓談をさせていただく運びとなりました。
赤松さんは、見た目は怖い雰囲気なのですが
とてもおやさしいお人柄で
お話をさせていただくうちに、緊張がほぐれていきました。
赤松さんは実際に
東日本大震災後の被災地でお仕事をなさっていた方で
私の出身地が気仙沼だと知ると
私の知らない当時の様子などをお話してくださいました。
『ボダ子』でも、メディアでは報道されない
被災地のリアルな現実が描写されています。
インタビューでは、
『ボダ子』を書き上げるまでのご苦労や
ホームレス時代のエピソードなど、
たくさんのお話を聞かせてくださいました。
赤松利市さんの小説は、一度読むと癖になり
ほかの作品も読みたい衝動に駆られます。
新人作家さんながら、
すでに多くのファンを獲得している赤松利市さんですが
さらにたくさんの人たちに
作品の魅力が伝わるといいなぁと願っています。