保護猫カフェの「ねこかつ」さんより
6月1日(土)の14時にあずきちゃんがトライアルにやって来ました。
↓ あずきちゃんです。
あずきちゃんは
ヤンバルクイナでおなじみの沖縄・山原で捕獲され
危うく殺処分を免れた、生後半年ほどの猫さんです。
うちに到着してキャリーバッグを出るやいなや
テレビの脇のラックの下に隠れてしまいました。
先住猫のふうちゃんは、あずきちゃんが到着した直後は
驚いて2階に逃げてしまいました。
でも、1時間もしないうちに、
ふうちゃんはあずきちゃんを受け入れてくれました。
↓ ふうちゃんとあずきちゃんです。
あずきちゃんが隠れているラックの下にやさしく話しかけたり
様子をうかがったりしていました。
夕方になると、あずきちゃんはいつの間にか
キャットタワーの上に移動していました。
ふうちゃんはあずきちゃんが動くたびに後ろをついてまわっていて
さながら、お嬢様とじいやのような雰囲気でした(笑)。
あずきちゃんはすっかりふうちゃんに気を許したようで
鼻チュウをしたり、体をこすりつけたりしていました。
翌日になると、ごはんをもりもりと食べはじめて
立派なうんちをしました。
また、夫とわたしに体を触らせてくれるようになり
背中をなでるとゴロゴロとのどを鳴らしてくれました。
抱っこはまだ難しいのですが
でも、とても懐っこくて、かわいいです。
あずきちゃんは、毛皮はまったく違うものの
目の表情とごはんの食べっぷりが亡きそらこに似ています。
夫もわたしも間違えて
「そらこ」と呼んでしまう瞬間がありました。
↓ 亡きそらこです。
ひとつ気になっていたのは、
あずきちゃんは風邪をひいていて鼻水を垂らしていたことです。
そのせいか、週の半ばごろから食欲が落ちてしまいました。
ふうちゃんに風邪がうつってしまったようで
食欲はあるものの、6月5日(木)あたりからくしゃみをし、
しゃがれ声で鳴くようになりました。
「ねこかつ」さんに許可をもらい、8日(土)の午前中に
あずきちゃんとふうちゃんを病院に連れていきました。
ふうちゃんは、多少の抵抗はするものの
割とすんなりキャリーバッグに入れることができ
病院でも神妙な様子で診察を受けてくれます。
一方、苦労したのがあずきちゃんです。
1.6キロの小さな体で猛獣のように暴れまわり、
夫は左手の人差し指をガブリと噛まれ
手首から先が腫れてしまいました。
(その日のうちに病院へ行き、完治しつつあります)
病院でも怪獣並みの抵抗力を発揮しまくったものの
なんとか、注射を打ってもらうことができました。
あずきちゃんは、夕方には食欲が復活し
茹でたささみや子猫用のパウチ、カリカリなどを
猛烈な勢いで食べるようになりました。
おかげで、翌日に病院を受診した際には
体重が1.8キロにまで増えていました。
ふうちゃんはくしゃみもしゃがれ声も治りつつあり
あずきちゃんはよく食べて、いいうんちをしていて
ホッとしました。
あずきちゃんは、
シッポをピンと立ててわたしの後をくっついて歩いたり
ふうちゃんの真似をして、テーブルの下にもぐってみたり
夫やわたしの呼びかけにお返事をしたりと
着々とうちの子になりつつありました。
↓ 爪とぎをするあずきちゃん。
なのですが、6月13日(木)あたりから、再び食欲が落ちてしまいました。
ささみのゆで汁とか、ささみ味のちゅーるとか
好きなものは一口か二口ほど食べてくれるのですが
16日(日)になると、好物も受け付けなくなってしまいました。
すぐに病院に連れて行きたかったのですが
あいにく、その週末は夫が仕事で不在で
猛獣に豹変するあずきちゃんをひとりでキャリーバッグに入れることができず……
ねこかつの店長さんにお電話で相談したところ
いったん連れ帰って治療をし、体調を整えてから
再トライアルをさせてください、とおっしゃっていただきました。
16日(日)の23時過ぎに、あずきちゃんは里帰りをしました。
キャリーバッグに入るのはイヤなはずなのに
玄関を出るまでずっと、のどをゴロゴロと鳴らしていました。
あずきちゃんは、風邪をスッキリと治して
元気になって戻ってくるものだと思っていました。
でも、翌日の夜の店長さんから連絡の電話で状況は一変しました。
病院でレントゲン検査を受けた結果、
あずきちゃんは、腸に腫瘍があることがわかったそうです。
腫瘍が悪性か良性かはわからないものの
腫瘍があるせいでごはんを食べられなかったようです。
腫瘍の原因は不明ですが、獣医さんは
FIP(猫伝染性腹膜炎)を疑っているとのことでした。
黄疸の症状が出ていることもあり
再トライアルは難しいかもしれないとのこと。
でも、タイミングが合えば面会は可能とのことなので
近いうちにお見舞いに行こうと思っていました。
ところが、6月18日(火)の朝9時過ぎの電話で
あずきちゃんの訃報を知りました。
前の晩の深夜1時ごろまでは生きていたそうですが
朝9時にスタッフさんが出勤したときには、
すでに亡くなっていたそうです。
お電話をくださった店長さんも突然のことに驚いており
また、とても恐縮していらっしゃいました。
でも、ねこかつさんを責める気持ちは1ミリもないです。
むしろ、たくさんの猫さんや里親さんを抱えていらっしゃる中、
あずきちゃんを治療してくださり
また、まめにご連絡をいただけて、とても感謝をしています。
ただ、こんなに早く逝ってしまうのだったら
ずっとうちにいてもらって、看取ってあげればよかったと
自分自身のいたらなさを後悔しています。
あんまり悲しいので
そらこに似ているあずきちゃんの境遇を気の毒に思った
冥界にいるマッシュとそらこともんちゃんが
最後に少しでもいい思いをできるよう
うちに来るように仕組んだのに違いない。
そう思うことにしました。
わたしたち夫婦がねこかつさんを訪れたとき
インカムをつけたマッシュとそらこともんちゃんが
「はい、そのふたりの前で立ち止まって」
「はい、そこでふたりの目をじっと見つめて」
「はい、そこでゴロンをしてみて」
などとあずきちゃんに指示を送っていたかと思うと
悲しみが少し和らぎます。
夫とわたしはこの2年弱の間に、
マッシュ、もんちゃん、そらこの3人を見送り
そのたびに、わたしはひどく落ち込みました。
あずきちゃんが亡くなってしまったことも、とても悲しいです。
ただ、あずきちゃんに関しては、
わたしよりも夫のほうがショックを受けており
はやくもペットロスになりかかっているようです。
今は、ふうちゃんが元気に、無邪気に、
のびのびと過ごしてくれていることが一番の癒しです。
さっぱり楽しくない話題ですみません。
最後に、里帰りする前夜のあずきちゃんの写真です。