暦の上では春だというのに、雨降りで肌寒い一日です。
本日は少し前の記事のご紹介です。
こちらは、昨年、刊行された『宮部みゆき全一冊』(新潮社)にて
宮部みゆきさんにインタビューをさせていただいた時の記事です。
『宮部みゆき全一冊』は、2017年にデビュー30周年を記念して
新潮社のホームページに掲載された、各賞のスピーチや過去の短編、
様々な方との対談といったコンテンツをまとめたもので
なんと、ご自身による『ソロモンの偽証』の朗読CDつきです。
ライターの世界に足を踏み入れる前から
いち読者として宮部さんの作品を読んでいましたし、
その時点で、宮部みゆきさんはスターでした。
宮部みゆきさんは、わたしのような書き手から見ると
遥か遠くの雲の上の存在でいらっしゃいます。
それだけに、取材の機会をいただけたことは、
本当に光栄なことでした。
インタビューでは、デビュー後に直面した厳しい現実や
他界された事務所の担当者さんへの想いなど、
たくさんのお話を聞かせてくださいました。
特に印象深かったのは、ご自身の幸運への感謝の思いです。
幸運ときくと、
宝くじが当たったとか、
運命の人に出逢えたとか、
うれしいいただきものをしたとか、
ついつい、奇跡的な出来事を連想してしまうのですが
宮部さんが語る幸福は、
わたしにとってはごく当たり前の日常的なことでした。
当たり前のことを当たり前だとは思わずに
幸運なことと捉えるその感性が作品の根底に流れているからこそ、
宮部さんの作品は、年代や国境を超えて
多くの人に愛されているのかもしれないぁと思いました。
それから、宮部さんはずいぶん長い間、猫と暮らしているものの
つい最近まで、そのことを公表していなかったそうです。
わたし自身が猫好きということもあり
インタビューでは、宮部さんの猫さんに関するお話も
たくさんうかがわせていただき
記事にもできる限り盛り込ませていただきました。
いつか、大好きなEテレの『ネコメンタリー』に
宮部さんと愛猫のマルコさんが登場したらいいなぁと
ひそかに期待している今日このごろです。