『真夜中の子供』/辻仁成さんのインタビュー記事 | フリーライター 熊谷あづさの雑記帳

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ねこの記事もちょくちょく登場する予定です。


少し前に、これまで書かせていただいたインタビュー記事の一部が
ウェブ上で読めるということに気がつきました。

どのインタビューも興味深くておもしろいお話ばかりだったので
少しずつご紹介していけたらと思います。

こちらは、

今年の6月に上梓された小説『真夜中の子供』(河出書房新社)にて
辻仁成さんにインタビューをさせていただいた時の記事です。


振り返ってみると、バスが一日に数本しか通らないようなド田舎で
地味な高校時代を過ごしていたときに
テレビでECHOESを観ていた記憶があります。

わたしがただの高校生だったとき、
辻仁成さんはすでにスターでした。


芥川賞受賞作の『海峡の光』を読んだときには
あまりにもすごすぎて心が震えましたし
フランスのフェミナ賞の外国小説賞を受賞した『白仏』とか
ドラマ化された『愛をください』とか
普通にいち読者として著作を拝読していました。

それだけに、インタビューの前はとても緊張してしまいました。

記事の編集担当のY女史も同じ心境だったようで
おそらくふたりとも、最初のうちは

かなりこわばった表情をしていたのではないかと思います。

辻仁成さんはとてもお優しい方で
ご自身のエピソードを交えながら、

いろいろなお話を聞かせてくださいました。

『真夜中の子供』の舞台は博多の中州です。

主人公の蓮司が話す博多弁はかわいらしく
蓮司を見守る中州の人たちはとても温かく、
途中で何度も泣きそうになりました。

物語の随所には、神事である「山笠」の場面が登場します。

文章はもちろん、行間からもその迫力が伝わってきて
一度、生で見てみたいなぁと思いました。

『真夜中の子供』は映画化が決まっていて、
公開は2020年で、辻仁成さんご自身が監督を手がけるそうです。

小説に出てくるたくさんの魅力的な登場人物のなかでも
わたしが特に惹かれたのが、井島さんという男性です。

井島さんの仕事はソープランドの客引きです。

どこかで自分の境遇と重ねているのか、
蓮司に対してやさしく温かな愛情を注いでいて
その器の大きさに感動しました。

記事にも書かせていただいたのですが
辻さんは、「井島は映画のなかでキーパーソンになると思います」と
おっしゃっており、
どんな俳優さんがどんな風に井島を演じられるのか、

今から楽しみです。

「井島さんの配役、発表されたかなぁ」と気になって
ちょくちょく映画の公式サイトをのぞいています(笑)。

辻仁成さんのインタビュー記事、お読みいただけたらうれしいです。