映画『ハドソン川の奇跡』を観てきました。
ずっと観たいと思っていたので、上映期間に間に合ってよかったです。
この映画の監督は、クリント・イーストウッドです。
なにを隠そう、わたしは10歳のときから
クリント・イーストウッドのファンです。
当時は、『日曜洋画劇場』とか『水曜ロードショー』とか
週に3つくらいは、
ゴールデンタイムに映画番組があったように思います。
わたしが育った場所は、ものすごく田舎で
娯楽らしい娯楽があまりなかったので
テレビで映画を観ることは、何よりの楽しみでした。
普段は21時ごろには寝ていたのですが
両親が映画を観るときは、一緒になって起きていました。
映画番組で放送される映画は
ファミリー向けのものもあれば、大人向けのものもありました。
わたしが初めてクリント・イーストウッドを知ったのは
『ダーティハリー』です。
シリーズが5作あるのですが、
たしか、『ダーティーハリー2』だったような気がします。
人がバンバン死んだり、かなりリアルな感じの死体が映ったりして
10歳の子どもが観るには、重すぎる映画でした。
正直、ちょっと怖かったです。
でも、クリント・イーストウッドはカッコよかったです。
声もよかったです。
当時の吹き替えは、山田康夫さんでした。
わたしは、気づくと『ルパン三世』も好きになっていたのですが
かつてのルパンの声も、山田康夫さんでした。
クリント・イーストウッドが好きだから
同じ声のルパンも好きになったのか、
それとも、その逆なのか、よく思い出せません。
でも、子どものころに好きになった
クリント・イーストウッドと、山田康夫さんは
大人になってからもずっと好きです。
何年か前に、
思い切って『ダーティーハリー』のDVDボックスを買いました。
もちろん、吹き替えは山田康夫さん版のものです。
全部とはいえないのですが
でも、クリント・イーストウッドの出演作はかなり観ています。
特に好きなのは、
『ダーティーハリー』シリーズと
『アルカトラズからの脱出』と
『スペース カウボーイ』です。
『スペース カウボーイ』は、
老体に鞭打って、宇宙飛行士の訓練に挑む場面が印象的でした。
ちょっとコミカルな演技も、またステキでした。
監督作品も、全部とはいえないのですが
かなり観ています。
特に好きなのは、
『ミリオンダラー・ベイビー』と
『インビクタス/負けざる者たち』です。
クリント・イーストウッドの監督作は
実話を元にした作品が割と多いように思います。
これまで、何人かの映画監督さんに
インタビューをさせていただいたのですが、
お話をうかがう中で
企画から温めていたり、脚本を書いたりと
監督さん自身が撮りたくて撮る作品もあれば
監督を依頼されて撮る作品もあるということを知りました。
クリント・イーストウッド監督の作品の中にも、
ご自身が撮りたくて撮ったものもあれば
依頼されて監督を務めたものもあると思います。
今年で御年86歳なのですが
1990年代後半から、
ほぼ毎年のように監督作品が公開されているのは
本当にすごいなぁと思います。
わたしは根がなまけものなので
ついつい、ダラダラとした時間を過ごしてしまい
後になって
「あの時間をうまく使えば、あれもできた。これもできた」と
後悔してしまうことがしょっちゅうあります。
これからは、ダラダラしたくなったときには
「クリント・イーストウッドを見習わないと!」と
自分に言い聞かせたいと思います。
クリント・イーストウッド監督の作品は
どれも見ごたえがあって
鑑賞後は心がジーンとするのですが
そうした作品を撮り続けることができるのも、すごいです。
『ハドソン川の奇跡』も、期待どおりでした。
主人公は、墜落してもおかしくない状況での勇断で
155人全員の命を救い、世間から英雄として称賛されました。
でも、国家運輸安全委員会からは
その判断を疑問視されて追及を受けます。
彼は自分の判断に自信を失いかけ
市街地に墜落する悪夢を見るなど、
精神的に不安定になってしまいます。
英雄の英雄たる姿ではなく
内面の深い部分や当時の背景を丁寧に描いていて
後半は涙がじんわりとにじみました。
映画館で観ることができて、本当によかったです。
未鑑賞の作品も絶対観て、出演作も監督作も制覇したいです。