『鹿楓堂よついろ日和』のコミックス4巻が
先月、発売になりました。

『鹿楓堂よついろ日和』4巻(清水ユウ著/新潮社)
http://www.shinchosha.co.jp/book/771887/
こちらのコミックスには
レシピ考案をした和風オムライスが登場するお話や
調理やレシピの提案をさせていただいたお話など計5話が収録されています。
表紙でときたかさんがお持ちになっているのが
なにを隠そう、私がレシピを考案したオムライスです。
担当編集さんのご依頼で、
表紙用の和風オムライスを実際に作って写真を撮り
作画の参考資料として、清水先生に見ていただくことになりました。
自分のアタマの中にあったお料理が
単行本の表紙を飾ると聞いて、とてもうれしかったです。
一口にオムライスといっても
薄焼き卵で包むものもあれば
内側が半熟でトロトロのもの、外側が半熟でトロトロのものもあります。
「鹿楓堂に合うのは、どのオムライスかなぁ」
「ときたかさんなら、どのオムライスを作るかなあ」と
いろいろとイメージしてみたのですが
いまひとつ、決心がつかず・・・
結局、3パターンのオムライスを作ることにしました。
その中から清水先生が選んでくださったのは、
外側が半熟タイプのオムライスでした。
わたしの家には、
鹿楓堂にあるような大きめの和風のお皿がないもので
ムーミン柄のお皿にのせて写真を撮ったのですが
表紙のオムライスは渋い焼き物のお皿に盛りつけてあります。
卵のとろとろ感と和風ソースのからみ具合が本物そっくりで
感激しました。
単行本を読みすすめていくと、
最後にびっくりする出来事に遭遇しました。
なんと、巻末の「アトガキcafe」に、わたしが登場していたのです。
担当編集さん経由で
「単行本で和風オムライスのレシピを紹介しますね」
とうかがっていたので、掲載されるのは存じ上げていたのですが
普通に作り方の図解だとばかり思っていました。
「アトガキcafe」の中のわたしは、
かわいい熊さんのキャラクターで登場しています。
しかも、同じページには店主のスイさんもいらっしゃいます。
スイさん、椿さん、ときたかさん、ぐれさんが働く鹿楓堂は
ぜひ一度、足を運んでみたいお店です。
スタッフがイケメン揃いなのはもちろん
雰囲気もメニューも、魅力的だからです。
でも、鹿楓堂はまんがの世界にあるお店なので
どんなにがんばっても、わたしがお店に行くことはできません。
スイさん、椿さん、ときたかさん、ぐれさんは
いずれもイケメンですが、それぞれタイプが違います。
どの方も「いいなあ」と思っているのですが
わたしが一番、好きなのは、スイさんです。
頭がキレるせいか、なにを考えているのかよくわからない
ミステリアスな雰囲気なのですが
看板猫のきなこちゃんを前にするとメロメロになるという
猫好きの一面もあって、「いいなあ♪」と思います。
でも、スイさんはまんがの世界の住人なので
どんなに「いいなあ」と思っても実際に会うことはできません。
過去に読んだまんがもそうでした。
『BANANA FISH』を読んで「アッシュに会いたい!」と思っても
『伊賀野カバ丸』を読んで「カバ丸と話したい!」と思っても
実際に会うことはできません。
まんがの世界と現実の自分との間には
越えられない壁のようなものがあるのが当然だと思っていました。
でも、「アトガキcafe」の中のわたしは
まんがの世界で生きていて、スイさんとご一緒しています。
うまく言えないのですが、すごく不思議な気分です。
とても感激しています。
感動しています。
清水先生、ステキな魔法を使っていただいて
本当にありがとうございました!
担当編集のE様、今回も気持ちのよいお仕事をさせていただき
どうもありがとうございました。
お礼がものすごく遅くなってしまったのですが
寄贈本が届いたのは、ちょうど誕生日でした。
一生の記念になる誕生日になりました。
「この仕事をしていて良かったなあ」と心の底から思っています。