2024 J1シーズンが始まり、開幕6節でJ1昇格1年目の町田ゼルビアが首位。
昇格組ながら5節目まで4勝1分、6節目で負けはしたが、勝ち点13で首位。
残留どころかJ1でも旋風巻き起こす勢いです。
ただ日本は判官贔屓が多いにも関わらず、扱いはヒール。
町田ゼルビアというか? 黒田監督なんだろうけど、嫌われてる。
なぜ嫌われるのか?
理由はいくつか思い浮かびます。
①自己否定
町田ゼルビアのサッカーって単純に言えば、相手の嫌がることを徹底し、リスクをとことん排除するやり方。
近年の日本サッカー界において未来がないと切り捨てられてきたやり方で結果を出されると、自分が信じてきたサッカーや理想が間違っていると全否定された気分になります。
強くなるために苦労して後ろから繋いだりチャレンジしているチームのサポーターの場合、町田に負けるというのは勝ち3点を失う以上のダメージになる。
そして、黒田監督本人が「足元チャカチャカして、何本パスつないで得点をとるというサッカーに、日本の甘さがある。」と煽りもカチンときます。
だから余計に負けたくない、勝って自分たちのやり方を証明したいという思いが沸々と湧いてくる。
逆に黒田監督のやり方を否定したくもなる。
②怖れ
黒田監督のやり方を認めたくなくても、勝ちやすい方法であるということは薄々みんな気づいているはずです。
高校サッカーでも数々の優勝を成し遂げ、プロとしてもJ1昇格させた実績もさることながら、派手さはないが試合巧者でしぶとく勝ち点を稼いでいたかつての鹿島のサッカーがどことなく似ています。
リーグ最多優勝を誇る鹿島に煮え湯を飲まされた経験は、ベテランサポーターなら当然あります。
マリノスでも岡田監督は徹底したリアリズムのサッカーで黄金時代を作り上げました。
この手のサッカーの強さというのは地肌感覚で覚えています。
今はまだ昇格組ということもあり、メンバー的に優勝は難しくとも、サイバーエージェントがスポンサーとしてついている以上楽観視できない。将来的に脅威になる怖れがあります。
③アンチフットボール
露骨な時間稼ぎ、ファール気味のチェック、ロングスロー。第三者が見てて単純に面白いとは思わないアンチフットボール。
青森山田高校の監督時代から賛否あるスタイル。
かつての鹿島もここまで酷くなかった。(代表クラスの選手のプライドが許さない&力量的にボール保持できるため。)
町田のサポーターは勝つためだと許容できるだろうが、そうじゃない人にとってはフラストレーションが溜まるだけの試合になります。
曹貴裁監督時代の湘南もファール気味のプレーも多かったしパワハラ問題もあって外からは好かれてはなかったけど、アグレッシブなサッカーを指向してたから全然違う印象です。
勝てばやりがいあるだろうけど、やってる選手たちはサッカーが上手くなってる感はあるのかな?
④注目度
これは私だけだと思うが、高校サッカー出身監督がJリーグの監督の中で1番注目されてるっていうのが悔しい。
高校サッカーよりユースを大事にして欲しいと常々思ってるから、選手権ばかり注目される現状が生み出した現象に良い気持ちはしないです。
徹底させるのが難しいとは言え、アンチフットボールより攻撃的なアタッキングフットボールの方が大変にも関わらず、賛否あるとは言え黒田監督への評価が世間的に高くなってるのは何だか…
アンジェ・ポステコグルー率いるマリノスがアタッキングフットボールでJリーグにセンセーショナルな驚きを与えたはずなのに、知らない人多いんですよ。世界最高峰プレミアで活躍しても世間的にはそこまでだし…
優勝争いしてるチームを応援してるのに昇格組の注目度に妬むなんてダサいとは理解してるが…
けど、このままだと中位ぐらいでフィニッシュしそう。
そうなると神戸や浦和、鹿島あたりの上位チームにステップアップするだけでなく、将来的に代表に誘われる可能性もありそうで…
宮本新会長がガンバ大阪で結果を出した時のサッカーとも若干被る印象もあり、森保現監督の後を引き継ぐ日本人監督路線として最有力候補になりかねないですね。
現にポープが町田では控えだったという事実からも明らかだが、黒田監督からマリノスの選手は評価されない。(ポープがリスクを負ったプレー選択が多いGKという印象は全くない。むしろ物足りない。)
代表選出されやすさもチームを選ぶ理由にもなるだけに、マリノス的に好ましくない。
とは言え、他者のことはどうすることもできない。ベクトルは常に自分たちに向ける。
中国のカンフーサッカーもだけど勝たないと自分たちのサッカーの正しさは証明できない。
勝たなきゃ負け犬の遠吠えなんですね。