Michel Camilo & Tomatito『Spain』 | kumac's Jazz

Michel Camilo & Tomatito『Spain』

 録音の日付ははっきりとはわかりません。ミッシェル・カミロとスペインのフラメンコギタリストトマティートのデュオアルバムです。全編、フラメンコ調の曲を演奏しています。って、フラメンコギターの音を聴いているとそう感じてしまうのかも知れません。ジャズのエッセンスはさほどないかもしれませんが、フラメンコ自体、即興演奏の要素があるかと思いますので、あくまでフラメンコ演奏の範疇での中に収まっている感じでしょうか。あまりミッシェル・カミロの演奏に期待しない方が良いかと思います。
 冒頭、「Spain」は、チック・コリア有名な曲ですね。軽快な音の流れに乗って、あっという間に演奏が終わります。各自のソロはスピード感があってノリノリです。互いのソロとバッキングがとても息が合っていて気持ちよいです。この曲、フラメンコギターの方がちょっと哀愁を感じていいなと思ったりします。トマティートのソロは好きだな。
 2曲目は「ベサメ・ムーチョ」です。トマティートのノンビートのテーマ演奏で始まります。かなりダイナミックな演奏です。ソロに入ると原曲を崩さずに二人ともソロをとります。ここでも、トマティートのソロの方が好きかな。なんと言ってもギターの音自体に情感を感じてしまいます。次の「Two Much / Love Theme」でのトマティートの演奏はまさにフラメンコギタリストとしての存在感を感じます。美しいです。次に、ソロをとるミシェル・カミロの演奏も美しいです。この曲は、好きですね。綺麗な氷の上を滑るようになめらかで、動きの軌道が鮮明に見えてくるって感じです。互いに互角の勝負をしていますね。「Para Troilo y Salgan」は、テンポの速い曲です。カミロが終始リードして演奏は行われます。テンポの速さではカミロも負けてはいません。
 二人のデュオは、緩急の使い方がとても面白いです。基本的に、どちらも早引きですが、そうかと思うとテンポを落として情緒的な演奏をしてくれます。そこのところの二人の息の合った演奏がとても刺激的です。あと、互いのソロ演奏にバッキングで互いにかなり絡み合っています。そこのところに音がぶつかり合うことで生じるスリル感が有りますね。ライブでこの二人の演奏を聴いたら、ぶっ飛んでしまいそうですね。
 この録音の後、2006年に二人は『Spain Again』というデュオアルバムを作っています。よほど気が合ったんですね。

Spain/MICHEL CAMILO & TOMATITO
¥1,276
Amazon.co.jp