こんにちは!
それでは講義を始めます。
今日は,前回の続きで,国会の活動について説明しますね。
(2)参議院の緊急集会
衆議院が解散されてから,総選挙が行われ特別会が召集するまでのあいだに,国会を開会しなければならない緊急の事態が起こったときは,国会に代行して,参議院で緊急集会を開くことができます。
次の憲法の条文を見てください。
【第54条第2項】
衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。但し、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。
このように,衆議院が解散されて衆議院議員が不在のときに,参議院の緊急集会を求めることができます。
憲法の条文上,「衆議院が解散」のときとされていますので,衆議院議員の任期満了のときは,緊急集会は開くことは難しいと考えられています。
そして,この緊急集会を求めることができるのは,内閣のみで,参議院が自ら緊急集会を行うことはできません。
さらに,
【第54条第3項】
前項但書の緊急集会において採られた措置は、臨時のものであつて、次の国会開会の後十日以内に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失ふ。
と定められているように,緊急集会で採られた措置は,次の国会が開会されてから10日以内に,衆議院の同意が必要で,この同意がないと,緊急集会の措置は効力を失います。
ちなみに,この参議院の緊急集会を,国会の種類に入れていないのは,
国会とは,衆参両議院での活動のことをいいます。これを同時活動の原則といいます。
ですので,参議院のみの活動である緊急集会を入れなかったんです。
(3)定足数
次に,定足数についてです。
定足数とは,合議体が活動するために必要な最低限の出席者の数のことをいいます。
例えば,本日2013年9月3日現在,衆議院議員は480名います。
ある日の会議の出席者が10名だとして,その10名で国の重要事項を議決し,確定させてもいいのか?という問題があります。
このように,少人数で事を決することのないように,憲法では定足数を定めているのです。
次の条文を見てください。
【第56条第1項】
両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。
このように,総議員の3分の1以上の出席がないと,議事を開き議決することができません。
例えば,衆議院議員が480名いるとすると,そのうちの3分の1以上なので,160名以上の出席がないと会議ができない,ということです。
これは,諸外国に比べたら,比較的緩やかな基準なのだそうです。
(4)表決数
つぎに,表決数についてです。
これは,憲法で特別の定めがある場合以外は,すべて出席議員の過半数で議決を行います。
もし,可否同数,つまり例えばある法案について賛成と反対が同じ数だった場合は,議長が決めます。
例えば,衆議院議員480名のうち,400名が出席したとします。その場合は,400名の過半数である201名以上の多数で可決される,ということです。
では,次の条文を確認しておきましょう。
【第56条第2項】
両議院の議事は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
(5)会議の公開
そして,両議院の会議は,公開が原則です。
しかし,それぞれの議院で,出席議員の3分の2以上の多数決で,非公開にすることができます。
これを,秘密会といいます。
【第57条第1項】
両議院の会議は、公開とする。但し、出席議員の三分の二以上の多数で議決したときは、秘密会を開くことができる。
(6)会議の記録
最後に,両議院は会議の記録を保存し,原則公開しなければなりません。
ただし,秘密会の中でも特に秘密を要すると考えられるものは,会議の記録を保存するだけで,公開しなくても良いです。
【第57条第2項】
両議院は、各々その会議の記録を保存し、秘密会の記録の中で特に秘密を要すると認められるもの以外は、これを公表し、且つ一般に頒布しなければならない。
そして,出席議員の5分の1以上の要求があれば,各議員の表決を会議録に記載しなければなりません。
【第57条第3項】
出席議員の五分の一以上の要求があれば、各議員の表決は、これを会議録に記載しなければならない。
以上で,国会についての講義を終わります。
ここでは,「出席」議員の「3分の2」とか,「総」議員の「3分の1」とか,記憶が混乱しやすいところがありますので,その点に注意して憶えておきましょう。
それでは今日はここまで。お疲れさまでした。
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今日は,前回の続きで,国会の活動について説明しますね。
(2)参議院の緊急集会
衆議院が解散されてから,総選挙が行われ特別会が召集するまでのあいだに,国会を開会しなければならない緊急の事態が起こったときは,国会に代行して,参議院で緊急集会を開くことができます。
次の憲法の条文を見てください。
【第54条第2項】
衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。但し、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。
このように,衆議院が解散されて衆議院議員が不在のときに,参議院の緊急集会を求めることができます。
憲法の条文上,「衆議院が解散」のときとされていますので,衆議院議員の任期満了のときは,緊急集会は開くことは難しいと考えられています。
そして,この緊急集会を求めることができるのは,内閣のみで,参議院が自ら緊急集会を行うことはできません。
さらに,
【第54条第3項】
前項但書の緊急集会において採られた措置は、臨時のものであつて、次の国会開会の後十日以内に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失ふ。
と定められているように,緊急集会で採られた措置は,次の国会が開会されてから10日以内に,衆議院の同意が必要で,この同意がないと,緊急集会の措置は効力を失います。
ちなみに,この参議院の緊急集会を,国会の種類に入れていないのは,
国会とは,衆参両議院での活動のことをいいます。これを同時活動の原則といいます。
ですので,参議院のみの活動である緊急集会を入れなかったんです。
(3)定足数
次に,定足数についてです。
定足数とは,合議体が活動するために必要な最低限の出席者の数のことをいいます。
例えば,本日2013年9月3日現在,衆議院議員は480名います。
ある日の会議の出席者が10名だとして,その10名で国の重要事項を議決し,確定させてもいいのか?という問題があります。
このように,少人数で事を決することのないように,憲法では定足数を定めているのです。
次の条文を見てください。
【第56条第1項】
両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。
このように,総議員の3分の1以上の出席がないと,議事を開き議決することができません。
例えば,衆議院議員が480名いるとすると,そのうちの3分の1以上なので,160名以上の出席がないと会議ができない,ということです。
これは,諸外国に比べたら,比較的緩やかな基準なのだそうです。
(4)表決数
つぎに,表決数についてです。
これは,憲法で特別の定めがある場合以外は,すべて出席議員の過半数で議決を行います。
もし,可否同数,つまり例えばある法案について賛成と反対が同じ数だった場合は,議長が決めます。
例えば,衆議院議員480名のうち,400名が出席したとします。その場合は,400名の過半数である201名以上の多数で可決される,ということです。
では,次の条文を確認しておきましょう。
【第56条第2項】
両議院の議事は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
(5)会議の公開
そして,両議院の会議は,公開が原則です。
しかし,それぞれの議院で,出席議員の3分の2以上の多数決で,非公開にすることができます。
これを,秘密会といいます。
【第57条第1項】
両議院の会議は、公開とする。但し、出席議員の三分の二以上の多数で議決したときは、秘密会を開くことができる。
(6)会議の記録
最後に,両議院は会議の記録を保存し,原則公開しなければなりません。
ただし,秘密会の中でも特に秘密を要すると考えられるものは,会議の記録を保存するだけで,公開しなくても良いです。
【第57条第2項】
両議院は、各々その会議の記録を保存し、秘密会の記録の中で特に秘密を要すると認められるもの以外は、これを公表し、且つ一般に頒布しなければならない。
そして,出席議員の5分の1以上の要求があれば,各議員の表決を会議録に記載しなければなりません。
【第57条第3項】
出席議員の五分の一以上の要求があれば、各議員の表決は、これを会議録に記載しなければならない。
以上で,国会についての講義を終わります。
ここでは,「出席」議員の「3分の2」とか,「総」議員の「3分の1」とか,記憶が混乱しやすいところがありますので,その点に注意して憶えておきましょう。
それでは今日はここまで。お疲れさまでした。
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