ブラム・ストーカーの原作の一部を抜き出して映画化したと云う事でチョットだけ食指が動いてウォッチリストに入れといたヤツ!原作未読ですが何となく故郷ルーマニアから船旅でロンドンにやって来た事は知っていたのですが、どうして船旅?なのかロンドンへやって来た目的は何だったのか?って部分も知れたらいいなって位でチェックです♪
ロンドンを目指す途上でブルガリアに寄港した商船デメトル号は不足した船員をそこで募集した。船長の孫を助けた縁で医師として乗り込む事の出来たクレメンスは嵐に見舞われた夜、食料として積み込まれた家畜たちが惨殺されているのを発見するのだが・・・
いくつかドラキュラ映画を観てきましたが色々な描き方があってどのルールに当てはめて観ればいいのかが判らん!ってのが一番の困りどころ、本作は原作に忠実なようなのでそのつもりで観たのですが「ドラキュラ伯爵」じゃないのか~???ってのが当てが外れた部分。ロンドンへ行く訳も餌が無くなったからとか、船旅で餌の配分を決められるくらいなのにどうして地元で食べつくしちゃうの?なんって意味のないツッコミも思い浮かんじゃいます。邪悪さを感じられるビジュアルは良いんですがそっちに傾き過ぎていて知性が感じ取れない部分はドラキュラとしてはどうなの?って感じ。村人を支配しいけにえを差し出させるくらいの賢さがある伯爵がどうしてあの姿で船旅なのか?そこら辺なんでもいいから理由付けが欲しかったです。主人公クレメンスの理不尽な世の中に善意を見出したいって心情も重厚な人間ドラマを予感させる割には見掛け倒しなまま終わった感が強かったですね。と、文句をタラタラと書き連ねてしまいましたが普通にモンスター映画として観れば及第点。特に孫のトビーを弔うくだりはいい感じなシーンになってました。逆に原作はどうだったのと興味が湧いた点も観て良かったかも♪
自分のイメージするドラキュラと云えば「インタヴュー・ウィズ・ヴァンパイア」だしお気に入り大好きな吸血鬼映画は「ヴァンパイア/最期の聖戦」や「ニア・ダーク/月夜の出来事」ですがそのいずれにも及ばない作品でちょっとがっかりしました。
「ドラキュラ/デメテル号最期の航海」 オススメ度 ★★