23-11-04

 

「呉市政だより」11月号に上の記事が出ていました。ガイドさんの話を聞きながら川尻町内の3つのお寺を巡ろうという企画の案内です。

 

川尻町は弘法大師が入山・修行された古くからの霊山「野呂山」の麓に広がる町であることから、信仰心の厚い人が多く、町内には寺院が6つもあります。

 (宝積寺境内から見る川尻の町と瀬戸の海)

 

今回はその中の3つを巡ろうというものです。そこで開催当日より先に、3寺の見どころなどを記してみたいと思います。最初は「宝積寺」です。

宝積寺(ほうしゃくじ)は山の中腹に川尻の町を一望するように建っており「安芸国

22番札所」となっています。

承平7年(937年)創建の浄土宗のお寺で、ご本尊の「11面観音菩薩」(上)は行基作です。弘仁5年(814年)に川尻を訪れた最澄が残していった仏像だと言われています。高さ40センチの木造座像で本堂の厨子に納められています。

ご本尊の霊験を知った安芸の守の平清盛が保元3年(1158年)に3日3晩参籠して一門の繁栄と武運長久を祈願しており、その際1筆の書と1本の松の木を残しました。

清盛自筆の書(上)は現存しており、額に入れて飾られています。

松は根回り8m余にまで育ち、県の天然記念物に指定されていましたが、昭和9年の室戸台風で倒れてしまいました。今はその跡に石碑を建て、福島県三春滝のしだれ桜の木(上)を植えています。春には素晴らしい花見ができます。

ご本尊は「秘仏」で通常公開されていませんが、NHK大河ドラマ「平清盛」が放映された2012年には、ご本尊見学希望者が大勢訪れた為、特別公開されたという話です。

その他の見るべきものとしては、室町時代の無名の武士の墓「五輪塔」(上)が境内に百基ほど残されており、呉市の重要文化財となっています。

また「紫雲洞」という珍しい建物(上)が境内にありますが、いわれ等は不明です。

 (十三佛堂)

 

次回は明日5日 ②「光明寺」です。