久しぶりに、映画館に足を運んで、この映画を観た(8日)。

本来、映画大好き人間なのだが、このところ、あまり映画館に行かない。

今は、映画館でなくても映画は観られるし、
わざわざお金を払ってまで観たいと思う映画が少なくなった。

それに、歳のせいか、3時間も映画館のイスに座っているのが、
苦痛に感じるようになった。
とびきり良い映画なら別だが。

前作もテレビ放映で見た。その時の感動が大きかったので、
映画館で見ることにした。それだけ期待が大きかった。

この映画の評判は良いようだし、土曜日の午後だから、
映画館は賑わっているだろうと思いきや、観客は10人程しかいなかった。

そして、期待しながら観た結果は・・・・・・・・

良かったと言えばよかったが、前作ほどの感動はなく、
目頭が熱くなる場面も少なかった。

なぜか?
自分なりの分析結果を、以下箇条書きしてみる。

1.映画はゴジラの大暴れシーンで始まった。これにはビックリ。
  昭和の良き時代を表現しようとサービスしたつもりだろうが、
  奇を衒い過ぎた。別に怪獣映画を観たいとは思わない。

2.淳之介役の須賀健太くんの背が、前作と比べてずいぶん
  伸びているので驚いた。
 
  前作から2年、彼は撮影時12歳、背が伸びる年代だし、
  声変わりする時期でもあるのか、声が少しかすれているようだった。

  その大きくなった健太くんが、少し影のある少年を演じるには
  少々無理があるな、と感じた。
  
  続編だから、他の子に変える訳にはいかなかったのだろうが・・・・・・

3.登場人物の演技がオーバー気味なのは、前作と同じだろうが、
  続編ではどうも気になった。特に鈴木オートの社長。
  
  しっとりとした叙情映画と思っていたのが間違いだったか。

4.登場人物が多すぎ、話があっちこっち横道にそれて、
  焦点がボヤけてしまったのではないか。
  だから上映時間2時間26分と長くなる。
  
  六子の恋人とか、薬師丸の元恋人などは出す必要なかった。
  せいぜい2時間にまとめてほしい。

5.昭和34年を強調するあまり、あれこれ登場させすぎた。
  東京駅に特急こだま、羽田空港にプロペラ旅客機、
  日本橋や初代クラウンなど。

  これもサービス過剰だ。だから上映時間が長くなる。
  三丁目の電車通りと銭湯くらいで良かった。

6.茶川が芥川賞の候補になり、結局落選する筋書き、
  「こだま」で大阪に向かったヒロミが、
  いつのまにか茶川の家の前に居る筋書き。
  
  何れもこれまで何度も使い古された手法で新鮮味がない。
  これでは話の筋書きが読めてしまって、感動のしようがない。

7.私のごひいきの貫地谷しほりの役が気に入らない。
  彼女にはチョイ役すぎる。
  あれならなにも貫地谷を出す必要などなかった。

8.くさしてばかりいたので、最後に良かった点を二つ。
  
  当時を知らない山崎貴監督(昭和39年生まれ)にしては、
  昭和34年がよく描かれている。
  (「嵐を呼ぶ男」を観る観客の興奮の仕方はかなり大げさだが・・・・)

  特撮(VFX技術と言うらしい)はなかなか良く出来ている。
  同じ特撮やCGでもこういう使い方は良い。
  日本の特撮技術も随分進歩したものだと思う。
 
結論:まあ、1000円(シルバー料金)の価値はあるかも知れないが、
   更に第3作が作られたとしても、今度は映画館へ行かず、
   テレビの放映を待つだろう。