もしもただのマネージャーが大学サッカー部186人のリーダーになったときに読む話 | 全員サッカーへの、挑戦

全員サッカーへの、挑戦

関西大学サッカー部は
「全員サッカーで日本一」になるために
熱い毎日を送っています。



 

 

 

「マネージャーの方ですよね?」

「いえ、私は主務です。」



マネージャーとしか認識されない悔しさと、
少しの苛立ちと、
情けなさを感じる、
この会話をする機会も、

私が過ごした1259日の関大サッカー部生活も、

全て。

2023年12月24日(日)で終わりを迎えます。




はじめまして。

本年度、
関西大学体育会サッカー部主務を務めました、
中西歩と申します。


このブログが、
日本中、世界中に居る、
サッカーを愛する人へ、

そして、
私が命よりも大切な関西大学体育会サッカー部と部員の皆、
部員達を愛し支えてくださる方々に届くよう、

心を込めて綴ります。


どうかこの思いが届きますように。







はじめましての方へ、
まずは簡単に私の自己紹介から。


生まれも育ちも大阪府吹田市。
実家から徒歩10分の距離には関西大学。

幼少期から親は習い事を沢山させてくれました。

学習塾、ピアノ、水泳に器械体操。

でも、どれも小学生までしか続きませんでした。


そんな飽き性の私が、
唯一虜になった習い事が1つだけ。


サッカーです。
私にはサッカーだけでした。


初めて漢字まで覚えた大人の名前は、
中村俊輔と遠藤保仁。

初めて好きになったアニメはイナズマイレブン。

挫折、怪我、優勝、準優勝、3位、最下位、MVP、

私の人生の「初めて」は全部サッカーから得ました。


大学でも本気でサッカーをしたくて、母と女子サッカー部のある大学探し。

「実家から徒歩10分の距離には関西大学。」

うん、ここしかない。

AO入試を受験して無事合格。

同時期に合格した立命大と入学を迷っていましたが、

入学前に観戦した女子チームの秋季リーグ入れ替え戦で、
関大サッカー部の男子部員が大きな声でなりふり構わず女子チームを応援する姿に衝撃を受け、

よし、ここしかない。

関大への入学を決めました。

そこからは怪我もあり、
マネージャーとして4年間頑張ろうと決意。



まさかこの時は3年後186人のリーダーになるなんて知る由もありません。

私は関大サッカー部への門を叩きました。


ここまでがざっくりとした自己紹介です。










そこから4年後。




2023年12月10日(日)
全日本大学サッカー選手権大会、通称インカレ。

場所は、流通経済大学龍ヶ崎フィールド。


ただのマネージャーとして入部したはずの私が、

試合終了の笛とともに、悔し涙を流していました。

他大学の選手から見ても、ただマネージャーが泣いているだけ。
そう見えていたはず。


でも私の立場は4年前とは違っていて。

マネージャーとしてではなく、
関大サッカー部の「主務」として悔し涙を流していたんです。




誰が想像したでしょうか。

ただのマネージャーの私が、

何事も続かなかった私が、

インカレで日本一を獲れなかったことに本気で悔しがる姿を。




今このブログを読んでくださっている人に伝えたいのはたった1つだけです。

それは、
大学サッカーには人を変える力があるということ。




このブログを書きながら、
1年間を通して自分自身を振り返りました。



結論。


私は主務には向いていませんでした。

主務に、というよりは、
関大サッカー部の主務には向いていませんでした。

チームが日本一を獲ることができなかったというこの事実が、
私が主務に向いていなかったという何よりの裏付けです。

悔しいけど、これが現実。
受け入れるしかありません。





私には、

3年前の主務、川野泰河さんのように、
周りを引き立てつつも自分の存在感もアピールする器用さや、

2年前の主務、作本大空さんのように、
トラブルに動じない落ち着きと冷静な判断力があるわけでもなく、

1年前の主務、三木哲平さんのように、
圧倒的なカリスマ性と人望で周囲の人を味方につける力もない。

何もありませんでした。


リーダーとはどうあるべきか。
リーダーに必要な要素とは。

そんな本を書店で買って読み漁ったけど、
まあ意味はなくて。


じゃあまずやる事は1つ。

自分の実力の無さを自分で認めること。


つまりは自分の負けを認めること。

取り柄のない私にとっては、この工程が1番大事でした。





負けを認めた上で次。


与えられた仕事をちゃんとするとか、
チームの運営業務をきちんと行うとか、


日本一をブレずに目指すとか。





そんな事は当たり前の事で、

それ以外に、
自分が1年間を通して、
関大サッカー部102代目の主務として、
ブレずにやり切ることを2つ決めました。


それは、

「何があっても、
私だけは関大サッカー部を1番愛すること。」

そして、

「186人全員を見て、
186人全員に期待して、
186人全員を信じること。」


この2つです。




主務になってからよく言われるようになりました。

「あゆみってなんでそんなに関大サッカー部好きなん?」
「あゆのそこまでの関大愛はどこからくるの?」

と。



皆がそう不思議に思うのにも無理はなくて。

基本は朝練。AM4:45に起床。
シーズン中の仕事は夜遅くまで。
長期休みは12時間以上家に帰れないなんて事もザラ。

友達との遊びの約束なんて以ての外。

髪染め、ネイル、ピアスは勿論NG。
皮がめくれる程日焼けもするし、
土砂降りでも雷が鳴らない限りは問題無し。


GKのことを「GP(ゴールプレイヤーの略)」
と言わないとマネトレ選手関係無くちゃんと怒られることとか、

冷静にちゃんと考えるとよくわからない、
関大サッカー部の暗黙の了解も沢山あります。




でも私の関大愛に繋がる一つだけ確かなことがあります。




それは、
「楽しくないこと」が沢山あるから。

これに尽きます。


自分の楽しいこと、好きなこと、やりたいこと、
それだけやるのが1番良いって思うじゃないですか。
私もそれが1番良いと思っていました。


でも、実際、

ただのマネージャーだった私が、
インカレの舞台で負けて、
その敗戦に本気で悔し涙を流せて、

ただのマネージャーだった私が、
「関大なら本気で日本一を獲れる」と、
並み居る強豪大学の主務の人達に豪語できて、

ただのマネージャーだった私が、
「自分の命よりも大切で、
命懸けで守りたい、支えたい」
そう部員達に心から思えるのは、


関大サッカー部に入部して経験した、

沢山の理不尽と、
もう無理だと限界を感じる程追い詰められた毎日があったからです。



主務として、
186人のリーダーとして、
この1年間沢山怒られました。

元々はプライドの高い自己中心的な私が、
自分の責任じゃない事に頭を下げることが沢山ありました。

選手から、
「主務に向いていない」
「主務がそれでいいのか」と言われる程、
情けない、不甲斐ない姿を見せてしまい、
指摘を受けることが沢山ありました。


「選手じゃないから、マネージャーだから」、
自分が結果を見せられる部分は運営面でしかなくて、
選手のようにサッカーの結果で周囲の人を黙らせることができなくて、

楽しそうにしている部員を妬む程、
自分が上手くいっていないことで、
相手を思いやる気持ちを忘れる時さえありました。



でも何故か増していく関大愛。


遅刻者が沢山出ました。
私の指摘や注意が甘いから。

色々な理由からチームを去る人も居ました。
私がその人達とのコミュニケーションを妥協したから。


チームがなかなか勝てない時期も続き、
FCと女子チームは2部に降格しました。


何故だろう、さらに増していく関大愛。


いっそ嫌いになれたら楽なのに。
そう思う程何もうまくいかない時期の方が圧倒的に長くて。
苦しくて。

でも、それでも、
増していく関大愛。



最近やっと気がつきました。

私が主務としてこの1年間抱き続けることができた、
関大サッカー部への愛の理由が何だったのかを。


186人の部員が居るこの関大サッカー部で主務というリーダーの役割を務めるとなると、

楽しくない事、
苦しい事、
悔しい事、
屈辱的な事、
自分の弱さを嫌でもかと指摘される言葉、
面倒だからと自分が目を背けて逃げてきた事に無理にでも向き合わないといけない事など、

沢山の負の要素があります。


でも、それらの隙間に、

これ以上ない、全員で勝ち取った1勝、
価値ある引き分け、
チームビルディングで見せる皆の幸せな表情、
部室での他愛もない会話で皆が笑う姿、
サッカーでの自分の弱点にとことん向き合って改善しようとする姿、
授業の合間を縫って自主練習をしに来る姿勢、
日本一になるために本音をぶつけ合う姿とか、



「この人達のサッカーにおける幸せとやりがいを、
何があっても私が守らなくちゃいけない。」



そんな使命感に駆られる瞬間があるんです。

その瞬間が、たとえ、
ほんの1ミリでも、
ほんの0.1ミリでも。

きっと、
楽しくない事の隙間にある、
そんな瞬間1つ1つが、
私の関大愛に繋がっていたのだと思います。


だから、私はいついかなる時でも、
関大サッカー部を心から愛していました。

愛することができました。


でも、
こうやって関大サッカー部愛することができたのは、
真っ直ぐに関大が日本一を獲ることだけを信じられたのは、
私の意思でも力でも何でもなく、

関大サッカー部の186人の部員が居てくれたからです。


ここで、私が決めた2つ目の主務としての役割。

「186人全員を見て、
186人全員に期待して、
186人全員を信じること」。

これは、何の取り柄もない私が主務になった時、
3年間のマネージャーの経験を通して、
唯一周囲に自信を持って伝えられる力でした。

期待するのも、
信じるのも、

まずは、期待する信じる相手の事を、
見て、話して、聞いて、
知ることから。


オイコスブルーベリー味みたいな練習着着てくる相川ひなた。

お客さん全然並んでないのにレジのヘルプボタン押しちゃう青木陽和。

満月、青空、朝焼け、空で起こる現象全部カメラに収めたい青山和叶。

コカコーラのセットアップでお茶飲んでたという謎の目撃情報が上がる淺田彗潤。

まあまあデカい病院で結構ちゃんとした先生に骨折と診断されてもGKやっちゃう勢古亜実。

ユニバに来ていくシャツの襟元を絶妙にはだけさせる井口結愛。

「日本と韓国の国境をまたいで遊ぶ草彅剛」という完全出オチの一発芸を持つ池岡篤輝。

中華料理屋で、冷めた小籠包と餃子は食べるけど伸びた担々麺だけは箸さえ触れない池田恵美。

同期、先輩、後輩だけかと思いきや、最近6歳児にまでいじられ出した石井飛雄馬。

保険証無くしたのかレベルで慌ただしく、喋り早すぎてどこで息継ぎしてるか不明な石原巨雅。

目つき悪いんです。ツンデレのデレが0に等しいです。でもこう見えてしっかり者の五嶋亮太。

セレクションにペンネーム「焼きそばパン」で申し込み、肝座るどころかもう立ってる稲田悠希。

万が一にでも可愛くなければ興味のない犬の名前の由来を自慢気に話す柴犬飼い主の乾天翔。

スタミナ不足で血液検査を勧められるも、嘘のようにサラサラの血である事が判明した井上駿。

市販のうちわよりやや大きい手を持っているが、煽がれてもあまり涼しくない上河原瑛斗。

数年振りに出来た推しが、熱愛に続いて足の爪が長いという理由で炎上して冷めた上田知世。

彼女ができて付き合いが悪くなったと周囲のクレームを跳ね除ける程、パンプアップする上原壮。

シルク・ド・ソレイユ、木下大サーカスに次ぐ、関大のエンターテイナー打越彪乃介。

自販機で先輩の私に奢ってくれたが、ちなみに先輩ですよね?と余計な一言を添える梅野雄大。

「高校時代は最終ラインを1人で守っていた」という実写版トリコみたいな逸話を持ってる梅原颯。

近いほどいいとされるバイト先はチャリで50分、
近いほど入るとされるシュートは8割ペナ外から打つ梅村青。

舌足らずな可愛さ、全遠藤に付けられるであろう「エンさん」のあだ名で親しまれる遠藤魁。

真冬に足首チラ見せズボンを着用し、上半身との寒暖差を常に心配させてくる尾家諒子。

シャワー上がりは睡蓮の花のように頭にタオルを巻きつけHAN-KUNと化す大口そら。

聞き上手だが鹿島アントラーズと高校サッカーの話になると会話の球離れが悪くなる大久保栞和。

マスクが必要ない今、顔で勝負!のこの時代に逆行するかのように鼻を骨折した大西志有太。

怪我で自宅待機中にガトーショコラを生産し、きちんとニキビも生産してくる大渕颯太。

入部して丸2年。パーマのかけ方で未だ正解を出してこない、いつ正解を出すんだ大矢瑞樹。

関大サッカー部で皆が欲しがるいじられキャラのポジションを0努力で確立した岡崎皓大。

「真面目やからボール見つけるの早い」という謎の理由でボール探しで先陣を切らされる岡田涼吾。

「こいつの右に出る可愛い奴はおらん」と言われていたが、しっかり後輩が右に出てきた岡村真波人。

入部4年目にして、とあるミーティングで監督に「岡村」と苗字を間違えられた岡本哲弥。

暇さえあれば携帯の画面を横にしておニャンコ達を大戦争させている小田照英。

各所より寄せられる「性格悪い」の問い合わせに対し、尚も性格の悪さに磨きをかける越智大貴。

真冬AM6:52から膝を大アイシングして唇を真紫にするお茶目さを持つ垣谷将太郎。

関大名物200円カレーを1000円でUberした「800円はかすり傷男」の片山大地。

LINEの一言が「I am MISO SOUP」。
もう何でもいいから謝ってほしい門林巧。

明石家さんまを崇拝し、「ひゃっはー」「ほいで」の二言で部室を御殿に変えられる金原航大。

とにかく優しい。どのくらい優しいかというと、そのくらい優しい鎌谷一吹。

最近野菜ポタージュの旨みと深みを理解し出した、ユニクロバイトと彼女に一途な河岡輝星。

大体の会話は笑顔だが、飼っているウサギの名前を尋ねると途端に嫌な顔をする川島功奨。

1年間の留学から復帰報告して1日でコロナに感染する凶運のアメリカンガール河瀬愛依。

「得点板変わってないねんけど役割誰」の犯人は決まってこいつ、でもそこが可愛い川添空良。

訳あって、もう今後3年間は嘘をつくことが許されなくなった1回生川又一輝。

几帳面、心配性が故に、その様子を見た周囲の人間を1番心配にさせる我が弟、川﨑瑛。

男前優しい高身長を兼ね備えるも、たまに出る小5のような発作でプラマイゼロの神田拓海。

1人1曲までとされているTOPチーム選手のチャントを短期間で3曲生成させた罪な男菊地孔明。

滝川第二高校から来た、見た目だけ、本当に見た目だけがサーファーの岸留生。

部室を家だと思い込み、部室に行くことを「帰る」と表現する次元まで到達した木邨優人。

名前はきぬがわ、インスタのサブアカウント名は「うらがわ」。上手いこと言わんでええねん衣川智裕。

試合前おにぎりを7個完食し、好きな食べ物はさぞおにぎりかと思いきやたこ焼きの宮内泉太朗。

入部早々「くぼけい」と愛称を与えられ、嘘のように分かりやすく先輩から可愛がられる久保敬太。

女子チームの山口と顔が激似すぎて一時部内を混乱させるも、ふくらはぎが男すぎた久保田遥斗。

学連兼TOPチーム所属という二足の草鞋を、スリッポンかのように軽く履きこなす黒川秀誠。

頼れる男かと思いきや、飲み会ではグリーズマンのユニを着て大塚愛をスイスイ歌う黒田翔太。

原付が主流のデリバリーを電動自転車でお客様に笑顔と安心と揚げたてポテトを提供する桑原航太。

静学仕込みのクネクネドリブルで相手を、ついでに味方も翻弄してしまう桑山優之介。

インスタの恋愛アドバイス系の記事には大抵いいねを付けるが、中々進展を聞かない幸田柊平。

関大きってのイケメンかと思いきや、話せば話す程、なんか違うなと思わせる能力者河野晟也。

「面倒臭いから授業行かん!」そう言い放った数分後には隣の席に姿勢よく着席していた古賀楓真。

長い脚から繰り出される鞭打ちシュートが強すぎて時々サイドラインを割ってしまう権田英史朗。

関大男前ランキング圧倒的1位。でも神も二物を与えまいと面白さは全て吸い取られた男坂上司。

足が長いのかソックスが短いのかはわからないが、とりあえず試合中スネは守れていない西村颯人。

熱狂的な虎党としてAREの達成に貢献、サッカー部で1人だけ日本一を獲れた顔をしてる佐藤怜。

選手権決勝で決めたゴラッソのいいね数は伸びるも、髪は伸びきるまであまり切らない真田蓮司。

小学生の時、先生に「は?」と怒られてすぐに「ひふへほ」と返し廊下に立たされた重田倫太郎。

おにぎり1口頂戴と言うと具の間際まで食べて具から食べさせてくれるらしい下雅意健太。

2回生の頃、筋トレで筋肥大しすぎてアンダーシャツをラッシュガードに変えた芝山和輝。

マッシュ→襟足→センター分けと大人の階段を登るも、サ行だけがずっと言えない下村哲平。

日本語を勉強し始めてたった数年で、南大阪の部員と口喧嘩で張り合えるまでになった朱心怡。

環境プロジェクトリーダーとして1年間ひたすら破れるゴールネットと向き合い続けた正田拓海。

合唱コンクールでピアノ伴奏を担当し、右手と左手をバラバラに動かせることを証明した鈴木樹。

小さくて顔も可愛らしいが、ひとたびボールが散らばるとガチ走りで取りに行く隅田彩乃。

「俺余裕あるから」、この細い命綱一本でクリぼっちを乗り越えようとしている関谷亮仁。

コーチの散らしたボールをひたすら取りに行くアブない自主練をして皆を不安にさせた千田陽介。

ポッケでこっそりハムスターを飼っているかの如く、右手をポッケに突っ込みがちな大山宣明。

心を許した先輩にはガツガツイジリにいくが、許していない先輩にはちゃんと後輩の高島龍基。

失恋してから反町隆史のような色気を身に纏い、私に松嶋菜々子の感じで話かけてくる髙田裕司。

目を見て話していると黒目に食べられそうになるくらい目力150点の高橋勇成。

ラインの返信速度と身長の伸びるスピードが雨天開催のアクアパルコの芝くらい早い髙橋哲也。

部室で珍しく大きな声を出したかと思えば、ウイイレでゴールを決めただけの時がある髙橋直也。

ボールの持ち方はモドリッチだが、どんな湿気でも前髪がペタンコにモドリッチしない瀧沢美冬。

そんなモドリッチの姉で、試合中GKからフィールドユニへとジャニヲタびっくりの早着替えを披露する瀧沢雪乃。


顔の呼吸、壱の方、大きな顔という一本技で、関大のお笑いを支えた柱武田智也。

4年間一度たりとも私服のセンスを認められずそのまま卒部まで突っ走りそうな田中光紀。

怪我人時代、何度補助員にあたっても一言文句を言って後はちゃんとやるエモマッシュ田中慎一。

将来はキレイめのアナウンサーと良い感じになるという生々しくも輝かしい目標を抱く谷岡昌。

内臓から出血する大怪我をしたにも関わらず、食あたりくらいのノリで数日で復帰した谷口凌太。

果たして良いのか分からないが、試合の残り時間が少なければ少ない程点を獲ってくれる谷遥翔。

会食セッティングはお任せあれ。会食セッティングの能力値は2億を超える飯ナリこと田村暸成。

「味方のシュートを丹南がトラップ」というサッカーではあり得ない試合速報を体現した丹南龍平。

サッカー部に入部すると大抵垢抜けていくが、年々眉毛が太くなり垢入れをしてしまう辻澤賢。

ボケは質より量、と言わんばかりの手数の多さで身内だけを笑わせる事は最早敵無しの堤奏一郎。

冬にネックウォーマーを頭につけるエモ演出をかましてくるが、切実にやめてほしい鶴内夢士。

おふざけキャラで試合でも緊張しないかと思いきや自分のプレーにちゃんと落ち込める寺尾理志。

FCの練習準備統括部長、真面目そうな風貌で見たまんまの真面目さを発揮してくれる土井嘉人。

話が盛り上がると段々声の音量が上がっていき、最終つい「うるさい」と言いたくなる時田凛香。

やる事なす事全部がお洒落、雨の日も風の日も練習後は執念を感じる程私服に着替える冨田歩花。

狭い下宿の家にソファを置いてスペースを無くすがキャンドルはどうしても焚きたい富田修成。

たまに反抗してくる後輩をバイト先の31のアイスかのように丸め込むことができる中尾純菜。

スギ薬局バイトを辞める際に社員から惜しまれ、松の屋バイトでは君は即戦力と評価された中川詩織。

誰もが羨むお笑いセンスとユーモアを持ち、たまに2枚目俳優の感じを出してくる中島超男。

学校帰りにコンビニでスイーツを選ぶ時間が趣味、その趣味をまんま表現する体型の中島康裕。

熱中症対策の理由を言わず「ラムネ食べて」だけチームに周知し生粋のラムネ好きだと一瞬思われた中野優。

遠近法フル無視の超小顔の持ち主のため、キーグロの方がたまにデカい時がある生嶋健太郎。

「ドイツ」の「ツ」がどれだけ書いてもずっと「シ」になり提出書類が一向にパスされない難波晴貴。

なんで西川がモテるんや、と未だ誰からもモテる理由を謎に認められていない西川裕。

先輩から貰うガムだけは絶対に噛まないと神に誓い、赤缶コーラを生き血のように啜る西村柾希。

プロ内定が出なければ就職活動する、という誰もが信じないビジョンを一時期立ててた西村真祈。

ミニゲーム大会だけはあの髙橋直也を凌駕するテクニックで女子選手から大モテする西山諒生。

全世界のうるさいと喋りすぎのエッセンスをかき集めて煮詰めて残った塊こと、丹羽健佑。

歯のホワイトニングに力を入れるがあまり、夏場は脚より歯が先行して歩いている野田康祐。

つい敬語を使いたくなる落ち着きと、既に子持ちかのようなお父さん感が否めない延原滉。

中学時代から怒る姿を見た事が無いため、今後爆発した時は世界を終わらせそうな徳弘海羽。

抜群のシュートセンスで中々唸らないで有名なあの百済さんを「おぉほ」と唸らせた橋本晃太。

精神年齢が高くコーヒーは勿論ブラック。でも強烈に字が汚いという欠点がある橋本圭汰。

「もうウイイレやん」と言いたくなる(やった事ないです)程、ギュインギュインボールキープが持ち味の長谷川晶飛。


高校時代憧れていた先輩が坊主だったという理由で現在もみっちり五厘刈りを貫く服部賢太郎。

ルフィでもさすがに言わへん臭すぎる男前なセリフをたまに吐き捨ててくる花崎有哉。

お笑い競争の激しい関大サッカー部において「もうええて」の5文字で2年間切り抜けた花谷和磨。

試合で途中交代の際、四審ではなく相手ベンチに交代用紙を持って行ってしまった馬場悠月。

起床後時計を一切見ずに体内時計「大体AM6:00やな」で家を出ることができる馬場峻太郎。

サッカーと並行してモデル業もしているため夏場はどのマネトレより白い時期がある林立起。

入部前に流行った暴露系YouTuberと苗字が一緒なだけで無条件にあだ名が決まった東谷康平。

せっかくのふるさと納税の返礼品を自分で食べずに人に配布しまくる謎の優しさを持つ一柳拓海。

うわこれ面倒臭いやつちゃうんという仕事は任せておけば120の出来具合でやってくれる平川慶。

「名前の由来教えて」に対して気温36℃の中40分答えを教えてくれない粘り強い平井半平太。

聴覚検査用のモスキートーンはこの子に業務委託されてます、この声聞き取れたら凄い平田大貴。

男をつい女にさせ、同期が選ぶ彼女にしたいランキングで女子部員を抑え1位に輝いた福家正貴。

同期と彼女作らん同盟に署名したが、数週間後にはちゃんとモテて丁寧に裏切った藤﨑琉依。

「家で暇な時何してるん?」「お菓子作ってますね」、やかましわ。古川吏玖。

頭のキャパが小さく、15秒前にした話をこちらに非がある感じで一から説明させてくる細野真。


先輩宮武に憧れて筋トレに励んでいるが、美白すぎてまず使ってる化粧水教えて欲しい本田大悟。

夏場で皆食事が喉を通らない中、牛すき鍋膳を食べたいと思うことができる本間響。

こっちは普通に会話したいだけなのにボケの手数の多さで相手を疲弊させる前田龍大。

関大で、いや大阪でも類を見ない8センチ極厚の厚底ブーツで部室をTGCと化す益田凛。

ピンクの物を禁止されるか1000万円貰えるかどっち取るの即答質問に渋々1000万と答えた松内里奈。

Be Realは意地でも通知通りに、逃した時はそんな落ち込むかレベルで落ち込む松浦凛花。


入部早々本職のボランチではなくCBをやらされ図らずもどこでもやれるを証明してしまった松名大輝。

最近冷え込むこの季節が来ると関大サッカー部名物「松村色の三元色ダウン」が見れる松村幸哉。

耳を疑う多額の奨学金返済の呪縛から社会人になっても絶対逃れられない松本侑真。

もう少し尖ってくれない?とこちら側が言いたくなる程ユース出身特有の棘が0の三木仁太。

暑い、痛い、寒い、冷たい、嬉しい、楽しい、どの喜怒哀楽も常に同じ顔をしている三木郁哉。

ドリブルが力強すぎてそのまま家まで帰りそうな水谷優佑。ちなみに家まで帰った事はないです。

実は南米の血入ってるの嘘をつかれた時誰も疑問に思わない顔の濃さを持ち合わせる溝口絢人。

電車乗換の隙間時間8分が暇で待てないという理由から買い食いをする食いしん坊南田珠寿。

今季は幾度となく体調不良に悩まされるも、来たら来たで1番元気な22歳南中優衣。

ヨガトレーナーと交際する等変化はあったが、あだ名だけは一生「宮武」で変化無しの宮武隼人。

弁護士になるため鬼のような課題に励むが、そのストレスから少しずつ顔が痩せて始めた宮原楽人。

岡村、大渕というレジェンドを押し除け、関大可愛いポジションを欲しいがままにする村井天。

これ余談なんですけどイケメンなのに何故か入部して一度もイケメンと話題にならない村上佑磨。

「むらっちょ」というぷっちょ以外に存在しない語尾が「っちょ」のあだ名で慕われる村上陽輝。

入部して1年目の初々しいブログで突如「好きな人が居る」と爆弾を投下した期待の新星村田将太。

自転車は脚で漕ぐものではなく肩で漕ぐもの、そう私達に教えてくれたウミンチュの銘苅健太。

名前に虎が入っているとは思えない物腰の柔らかさで困惑させてくる律儀な男目黒虎太郎。

「まなとムッツリやな」、「俺ガッツリやで」その返しは果たして答えになっているのか百田真登。

今の穏やかな雰囲気からは想像もつかない程熾烈な女子校生活を生き抜いたらしい森重亜衣子。

「痩せたい」が口癖だが、餅をバターと砂糖とみりんでカロリーアレンジしてしまう森山夏帆。

上河原瑛斗との伝説の口喧嘩で「僕は瑛斗君の雑用ですか?」の名言いや迷言を残した康本一太。

ミーティングの最後「ヤス何かある?」と聞くと、求めてた斜め右上の回答をしてくれる安田翔悟。

サッカー上手いと評判だが、理系で授業がパンパンのため顔の覇気が失われつつある山内創生。

足が速すぎて味方のスルーパスが追いつかないというあり得ない状況を生むことができる山岡立樹。

あだ名は「さぁびゃー」。本人曰くこの「あ」が大文字か小文字かでだいぶ違うらしい山口紗弥。

笑った顔が抜群に可愛らしいが、たまにとんでもない毒を吐く時がある山口隼矢。

真面目そうだが、一発芸を振られて渋る奴が居ると「しゃばいわ」と笑いに本気な山崎泰地。

公式戦で集合時に髭の濃さを指摘され、関学で毛穴を開かせず血まみれで髭を剃った山下陽日葵。

自宅のティッシュケースはキャラクターのお腹を開いてティッシュを取る怖い方式の山田志穂。

真面目すぎるが故に、彼女とのクリスマスより学年ミーティングに労力を削がれている山田凌平。

学年で3人居る山田の最後の砦で、他の山田よりも身長が大きいというシンプルな特徴を持つ山田和季。

隙あらば前髪をクシャッとさせる癖があり手ぐしの限界をプルスウルトラしようとする山中亮弥。

いやあそのシュートは無理やろを決め、いやあそれは決めなあかんでをしっかり外す山本拳士。

人の陰口は絶対言わない良い奴で、関大前のディアブロが世界一美味いと思ってる吉岡凛太郎。

ダニエルラドクリフしか似合わないとされた細縁丸メガネを吹田で唯一かけこなす吉田英一郎。

セパレートタイプのソックスを見事に履きこなし、落ち着いたプレーでちゃんと上手い吉田遥。

相手の目をちゃんと見て、相手の話をちゃんと聞くのに、何故か会話が噛み合わない吉田侑平。

同時期に入部した吉田侑平との血の繋がりを疑われるも驚くほど一切関係無かった吉田侑生。

めちゃモテ委員長のようなクリックリの目からは想像もつかないドスの効いた声を持つ吉田りん。

革ジャン、ダウンベスト、モカシンシューズ、全部着こなすため少し腹が立つ吉永陸人。

相手から「あいつまじで軽自動車や」とまあギリ嬉しいワードでその馬力を褒められる吉村颯太。

今日はさすがに間に合うとバイト時間まで余裕をかますが結局「もう間に合わんって!」と焦る吉村瑠晟。

明大とのレセプションパーティーで一発芸を4発披露するも不発となり煙だけ残した吉本武。

私が生まれてから本当に一度も見たことがない髪型で、その髪の名前もずっと分からん若尾直哉。

一時期首筋に蛇のタトゥーが入っている女性から好意を持たれていたという逸話を持つ渡穂高。

止める蹴るの技術と、シャワー後ドライヤーのブロー場所だけは絶対譲らない和田健士朗。

まだ弱冠20歳にも関わらず4回生から「仁様」と呼ばれる程たまに吐く毒が強烈な冨家仁。

男子と合同だったセレクション時に男子の誰よりも上手いと部内を騒然とさせた𠮷尾香音。














凄いでしょ。
面白いでしょ。

魅力的でしょ。

私が1年間共に闘った仲間達。


私が主務としてこの1年間を通して共に闘った仲間186人には、


それぞれに得意不得意があって。
それぞれに良い部分と悪い部分があって。
それぞれにたまらなく面白い部分があって。


私含めて完璧な人なんて1人も居ないんです。

だからこそ。
だからこそなんです。

不完全な仲間と一緒に1年間を共に闘うからこそ、
不完全な仲間と一緒に日本一を本気で目指すからこそ、


関大サッカー部で獲る日本一には、

他のどの大学でも感じられない、
「日本一の価値」があるんです。




そして数万人にも及ぶ卒部生の方々が、
その日本一の価値に魅了されてきたからこそ、
このチームは102年も続いてきたんです。




だから、
サッカーで結果を証明できないマネージャー出身の主務の私が、


関大サッカー部が日本一を獲るためにできることは、

103年目の関大サッカー部に繋げるためにできることは、




186人の部員全員を観察して、
その人を目で見て耳で聞いて肌で感じる事。



そして、

186人それぞれに期待して、

186人それぞれを信じること。



まあ現実はそこまで甘くなくて、

期待を裏切られる事もしょっちゅうありましたが、

最後の最後まで嫌いになれない程、

私が共に闘った186人は魅力的でした。



結果、日本一は獲れなかったけど。




ただ、私はやり抜いた。
私は関大サッカー部の主務として日本一を獲るために生きた。



そして、
自分の命より大切だと思える、
心から素晴らしいと思える、
そんな186人の仲間達と共に本気で日本一を目指すことができた。

だから後悔など微塵もありません。

日本一は獲れなかったけど。






今後も関大サッカー部の歴史は続いていきます。


その中で、

数年後、
数十年後、
もしかしたら100年後になるかもしれないですが、

マネージャーとして入部して、
私のように関大サッカー部に魅了されて、
サッカーはできないけど、
主務として本気で関大サッカー部で日本一を獲りたいという人が現れるかもしれません。


その時には、

「何があっても、

自分だけは関大サッカー部を1番愛すること。」

そして、

「部員全員を見て、
部員全員に期待して、
部員全員を信じること。」


この2つは、
この2つだけは絶対やり抜いてください。

そして、
その時には絶対日本一を獲ってください。


勝負の世界は常に「結果」を中心に回っています。



関大サッカー部の強さを「結果」で証明してください。






1〜3回生の皆、


そして、

選手や学生スタッフとして関大サッカー部への入部を考えている高校生の皆さん。




大学の4年間は思っているよりあっという間。


残された時間は人それぞれです。

その残された時間をどう使うかも人それぞれ。

 

だからこそ、

この関大サッカー部で、



一生懸命生きてみてください。

暑苦しく生きてみてください。

もがき苦しんで生きてみてください。
もう無理だと思うその少し先まで生きてみてください。


 



そう生きる価値が、

大学サッカーには、

関大サッカー部にはあります。

 

 















さて。

 

私の主務としての関大愛はここに置いていきます。
次は、OGとしてひっそりと関大サッカー部を愛することにします。


 




大好きです。
関大サッカー部。
今までも、これからも。


私が生きた1259日は間違いじゃなかった。

 

本当に私の全てでした。





獲りたかったなあ日本一。

3回生、後は頼んだ!






         関西大学体育会サッカー部主務
                    中西歩