今の時代ネットで文章は読める。

しかし、未だに本がある。


僕もご多分にもれず、

未だ紙をめくる読書を愛す。


読書と調べものは違う。

本とネットの違いはそこにある。


まるでガイドに案内され、

頂きを目指す山登り。


それが読書であり、

本の真骨頂なのではないだろうか。


作者と言う旗を持った案内人。

旅の行く末を見守ってくれる。


ネットはまるで街散歩。

あてどなく歩く雑踏の忙しさ。


どちらが悪いもなく、

どちらが良いもない。


しかしたまに、

道ゆく車のクラクションに慄く。


無数の選択肢に、

目を閉じ深呼吸したくなる。


読書とは、

孤独になること。


本とは、

一人になれる場所。


目に見えぬガイドに、

指さされ見上げた空。


青々とした、

心を焼くような青空。


ビルの谷間からは見れない、

そんな空がある。


今日も僕はページをめくる。

深い森の中を一歩一歩。


人知れぬ頂きを目指して。

忘れていた空を見上げるために。