天皇陛下がパラオに行って | 気になる映画とドラマノート

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わたしは天皇に戦争責任は無い派、である。おそらく「安倍は戦争したがっている派」の言う通りに、戦争になったとしても、平成天皇になんの責任も感じまい。

 


 

 昭和天皇は軍服を着ていたが、あれとて、着させられていたまでで、ほれ、軍服を着ているじゃないか、とは言われて、なるほどなどとは思わない。

 


 

 きのう、天皇がパラオに行ったというので、朝日、毎日がまた何か底意地悪い事をいうのだろうなと思って、まさか二紙買うほどのモノ好きじゃないので、とりあえず朝日を買ったら、朝日は、しきりに、「天皇陛下」「お言葉」と書いていたのが、気になった。

 


 

 こいつら、ふだん、天皇の戦争責任とさんざん言っておきながら、その息子の天皇について言う時は、「陛下」「お言葉」と、ずいぶん堂にいって、丁寧なのだ。

 


 

 わたしなんぞ、天皇「陛下」、とか「お言葉」とか、いちいち正確に記す能力もないし、気持ちもない。しかし、それでも、昭和天皇に戦争責任はなかった、と思うのである。

 


 

 ところで、いま毎日新聞のデジタル版を確認すると、「小馬鹿にされていた一等兵が一番に志願し・・」とある。こういう言い方も朝日・毎日的思想の常套句である。まるで、戦時中の日本は差別だらけだったみたい、である。いや、いまでも、日本には、ブラック企業、もパワハラもあるように、戦時中、下級兵士がいじめられ、殴られる事はよくあった。しかし、それは、日本特有の事ではなく、アメリカは戦時下にも、黒人差別はあり、ゲイは殺される。韓国の軍隊は、いまでもイジメがひどい。

 


 

 それでも、毎日新聞は、あの戦争を批判したいために、何が何でもというつもりなのだろう、「小馬鹿にされていた一等兵が一番に志願し・・」と書く。

 


 

 また、 「こんな自然豊かできれいな島で父はどうして死ななければならなかったのか」 と本当にそう言ったかどうか知らないが、遺族の言葉として、書く。

 


 

 おそらく、他の国の遺族なら、どうして死ななければならなかったのか?とは、思うまい。日本軍国主義と戦って死んだのだ、とか、抗日戦争の中で死んだのだ、と言うだろう。

 


 

 毎日新聞は、どうして死ななければならなかったのか?と書く事によって、暗に、日本人の死は、犬死に、無駄死に、の類、意味のわからなあい死だったと言いたいらしいのだ。

 


 

 しかし、兵士たちの手紙を見れば、「ああ、オレは意味もわからずここへ来て、意味もわからず死んでいく」というように書いている人がひとりでもいるだろうか。

 


 

 それでも、毎日新聞は書く。「こんな自然豊かできれいな島で父はどうして死ななければならなかったのか」と遺族は言ってますよ、と。

 


 

 だいたい、基本的に、だれしも生まれた事自体が、不思議なのである。どうして、今のこの時代、この国に生まれたのか、なんて必然性があるわけがない。「こんな自然豊かできれいな島で父はどうして死ななければならなかったのか」と言ったって、では、平和だったからといって、火事で死んだり、地震で死んだり、ガンで死ぬのか、さっぱりわからない。どう死んでも、しょせんは、なぜそうして死ぬの?という事にならないわけがない。戦争にかぎって、どうして死ななければならなかったのか?という事にはならないのだ。

 


 

 小津安二郎は、ガンで入院した時、「なにも悪い事はしていないのに」と言ったと伝えられている。そう、人間、どういう理由で死に直面しても、理不尽だという思いは、リアルであるが、しかし、逆に、戦争に行って、なんで?とはむしろ、当人がそう思う人は珍しい。たいてい、故郷の隣近所、おじさん、おばさん、年少のこどもたち、親兄弟姉妹の事を思い、自分の戦闘の意義となつかしい人々の暮らしが破滅しないために、との結ぶつけかたをしたのではないだろうか。それが、天皇陛下のため、の内実であって、文字通りの「天皇陛下」個人のため、ではなかったのではないか?

 


 

 だがしかし、テレビ朝日報道ステーションは、「天皇陛下のために」日本人の多くが戦場で死んだのは事実、ナレーターに言わせていた。これも、死んだ兵士が生きていたら、言うだろう。「天皇陛下万歳」と言ったからといって、本当か、と思って、「天皇陛下万歳」とは、ふるさとの人々の暮らしの意味をまとめて言った事くらいわかるだろう、なにも、天皇個人の事じゃない、と言うのではないか。

 


 

 しかし、死人に口なしの喩えとおり、テレ朝は、「天皇陛下のために死んだ」と言い切る。


 中国は人民解放軍兵士は抗日を戦って死んだ、と言い切る。