日本の大河ドラマは、全般的傾向として、
1、「夫婦愛」の強調。
2、「民衆や道義的な新興政治勢力が腐敗した政府に疑問を呈する。
3.戦国時代の武将、幕末の志士の夢は、「民の幸せ」と「戦のない世の中」の実現。
特に、この夢は必ず、武将の妻や娘たちとも共有される。
4.女性も、しっかりと自分の意見を持って、夫に助言したり、反論できる。
5.戦は、平和への願いとともに、やむにやまれず行われる。
この三本柱が隠されたモチーフになっている。
韓国ドラマの歴史劇の中で、「李氏王朝」以前の時代は、
1.朝鮮民族は勇猛果敢で、他の民族に屈しないすさまじいばかりの気概と愛国心を持ち、国のために命を捨てる覚悟のある崇高な精神を持つ指導者たちだった。
2.百済の場合、ケベク、義慈王の頃の側近は、「独裁権力と、貴族の増長を抑える気持ちを持っていた。
3.新羅のファランは勇猛果敢な愛国兵士だった。
4.新羅の政治体制は、独裁的ではなく、「入れ札制による独裁を抑える知恵を持っていた。
5.カヤ国の前は、王のいない体制があり、話し合いで自治していた。
と、このように歴史ドラマというのは、日本でも韓国でも、なんともいじましく、「現在の政治情勢、社会情勢、そして視聴者に対する「良き家庭生活」と民主主義の称揚をモチーフにしていることがわかる。
李氏王朝になると、
1.ある時代は、軍事独裁大統領とその側近とそっくりに、王の親戚と両班のワイロ、横暴、暴力のひどさ、そして家族関係の不道徳性の内実が暴かれる。
2.ある時代は、李氏王朝のなかには、非常な賢君文化的に高い見識を持ち、民のしあわせを第一に考えた王がいたことが強調される。それは、前代の横暴な独裁権力の親の次の代だった、とされる。
3.横暴な王の時代に、「ホ・ギュン」や「ホ・ジュン」のような民衆のために生涯をささげた革命家や医師がいた、という見方。