動きを見るとは、表面的な身体の形を見るのではなく、身体の重みの変化を見るということです。
例えば、誰かに「腕を上げて」と言われたとします。
色々な上げ方があるのを私は知っているので、「腕を上げてと言うが、どうやって(どの方法で)上げればいいのかな?」と質問したくなります。
下手な人の場合、肩の上側の筋肉を使って腕を上げることが多いです。肩や首に痛みがある人もこの上げ方が多い。動きとしてはとても簡単です。
でも、上手い人の場合は、この簡単な動きは使いません。
どこの力を、どの方向に、どのタイミングを使って腕を上げたのか、というカラクリがあります。
見やすいところだけを見て、その動きを判断するのはダメです。
「それをさせているのは何だろう?」という見方でなくては、動きを矯正することはできません。
「動きを矯正する=身体の重みの流れを変える」
動きを矯正できないコーチは、腕だけ、足だけ、身体の向きだけというように生徒の動きを部分的に見て、表面的な形を変えようとします。これを強制と言います。
動きを似せるこはできるが(ある程度打てるが)、ニセモノです。その動きをやらされた生徒は、楽になるどころか苦しくなっているというのがニセモノの証拠。生徒は「良い動きは苦しい動き→筋力を鍛える必要がある」と勘違いする。これが厄介。
身体の重みの変化を見るための練習方法は、身体の重心となる腰の位置を見ることです。
腰の位置が、空間的にどう移動したのかをチェックする。
腰だけをジ~っと見ていてもわかりませんよ。
空間的な位置ですからね。背景を使って腰の動きをチェックしたり、見る角度を変えたりしてください。
腰がスムーズに移動方向に向かったのかをよく見ます。
動きが悪い場合、動き出しで一瞬「間」があるでしょう。
その「間」のときの四肢に、ハッキリと間違いが浮かびます。この瞬間が、間違いの動きに気づきやすい。
腰の移動をチェックした後、四肢の動きをチェックするのがコツ。
参考にどうぞ。