「ビデオ撮影して、スローで再生すればよく見える」という人がいます。
確かに、スローで再生すると動きの細部までよく見えます。
これをやることで、動きを分析できたと思わないでください。
スローで見ると、
・「どう動いたのか」はわかるが、「なぜ、そうなったのか」がわかりにくい
伸張反射でやっている動きの特徴は、その速さです。
それをスローにするとわからなくなる。
「速くなってしまった動き」に注目してもダメです。
見なければならないのは、その動きを速くするキッカケとなった動きや姿勢です(遅い動きから、速い動きに切り替わる直前の動きが最も重要だということです)。
その「切り替わり」は、生のスピードで見たほうがハッキリとわかる。
最初に、どのタイミングで、動きが速くなるのかをチェックし、
2回目は、そのタイミングの前の動きをチェックする。
(分からない人は、「直前の動き」でブログ内検索してください)
・速い動きには、独特の速い感触がある
速い動きは、意識してやるものではなく、瞬きのような反射機能を使います。
反射という意識できない(意識しなくてもできる)動きは、意識できない動きとして扱ったほうがいい場合が多い。
意識してやると違った動きになるからです。
瞬きを意識して30回やれば分かると思います。
疲れるでしょ?鈍くなるしね。
速さを意識するのではなく、速さは感触として捉えることが大切です。
・スローで見るクセがついてしまう
実際のスピードに目が追いつかない。
レッスンは現場が勝負です。
映像を持ち帰って、「来週までに調べます」では役に立たない。
その場で、動きを見て、瞬時にアドバイスをし、矯正する行為をレッスンといいます。
・速い動きは、速く見る
動きを見るときは、実際の速さで見るようにする。
「でも、身体の向きや足の動きは見えますが、手先の動きは速すぎて見えません」という指導者がいます。
テニスの動きは、スローにして細部をハッキリと見る必要はない。
なぜなら、ラケットでボールを打てば、手先の動きが読めるからです。
飛んだボールの行方を見れば、ラケットフェイスが、どの時点で、どの方向に向いているのか分かります。
手先の動きは、ラケットフェイスの動きとして大きく見えるし、ボールの行方で再確認できる。
これが、道具を使うスポーツの最も便利なところです(道具を使わないスポーツよりも指導しやすい)。