腹がチクチク痛くなったのは多分ストレスのせい | 愚奏譜

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ワタシ、かなでの備忘録みたいなもの。
割と内向き・オタクなハナシが多くなりそうです。

またまた上田秀人作品

『跡継  高家表裏譚(1)』角川文庫
新シリーズです。
高家、て言われれば、一番有名なのは「彼」だと思いますが、その「彼」のハナシです。
吉良三郎義央。『忠臣蔵』の吉良上野介です。彼がまだ家督を継ぐ前です。
浅野家や上杉家の名前もチラホラ出してますが、トラブルメイカーは一先ず毛利家です。
幕閣はセミレギュラー化してる知恵伊豆グループ。
さてさて、どこまでやるのか?
家督を継いだらおしまい?ぐらいにしないで、『忠臣蔵』まで走るのか?
「こんな役職があったんだ」からの作劇は、従来の上田作品通りだけど、今回はなんかドキドキする。
そんな義央少年も剣戟する羽目になるような作品だけど、ワタシはあんまりモエてない。
「最近は衰退している『忠臣蔵』ブランドを、単なる吉良サイドからの解釈による再構築ではなく、高家という役職から【松之廊下事件】を見直す」みたいな目論見なのかしら?
そういえば、『麒麟がくる』で怪演していた土岐頼芸だけど、子孫が松之廊下で浅野内匠頭を抑えてたらしい。

帯にあるセリフ。
落ちぶれ名門集団のクセに、そんな尊大な気持ちで御役目精勤してたら、事件の一つも起きそうな気はする。2時間サスペンス的な。



『決別  禁裏付雅帳(十)』徳間文庫
大詰めになってきた気がします。
なにせ帯にあるように、幕府に、いや正確には老中松平定信にだけど、敵対することになったか。
ちょっかい出してきた公家どもも大人しくなってきたし、大坂商人も手駒がなくなってきてる。
となると、やはり作品決着の見所はダブルヒロインの落とし所になる。
けど、ビビって違う決着ではぐらかす気もしてきた。