一滴の雫を・・・
【 運命のいたずら 】
よく耳にする言葉で
それにより
何もかもが大きく分かれる
・・・
お家がある子
きな
ぬくぬく暖かい部屋で
ゴロゴロお昼寝
目が覚めれば
ハイ ごはん ♪
溢れるほどのオモチャと
溢れるほどの愛情と
『 可愛いね〜 いい子ね〜 』
甘い呪文が毎日飛び交う
無邪気で幸せな お家猫
お家があるような 無いような子
あるお家の玄関ドアの前が
この子の居場所
プラスチック製のベッドに
薄い毛布が一枚
二枚のお皿は
たぶん
お水とゴハンのため
北風が強く寒い夕暮れ時
通りがかりに覗いてみたら
冷たく硬いベッドの
薄汚れた毛布の上で
その日も
小さく丸まっていた
寒くないかな…
寒いよね…
ドアの向こうには
暖かい空間があり
ワンちゃんがいつも窓越しに
のんびり外を眺めている
たったドア一枚の
大きな大きな隔たり…
ねぇ
暖かいお家に入りたくない?
きっと
入りたいよね…
それでも
居場所を与えられ
ゴハンを与えられ
私を警戒しないこの子は
まだ恵まれているのかもしれない…
大きさの違いから
たぶん お母さんと子供
駐輪場で寄り添う姿は
微笑ましい…
一見幸せな光景だけど
ゴハンはあるの?
安心して休める場所はあるの?
冬の寒さ
雪だって降るかもしれない
どうするの?
寄り添って暖をとるだけじゃ
厳しすぎるよね…
病気になったら?
事故にあったら?
心配したらキリがない…
そして
こういう子達はたくさんいて
今この瞬間も生きている
【 運命のいたずら 】
よく耳にする言葉だけど
何が違うの?
何がそうさせるの?
運?
縁?
タイミング?
ほんの些細な分かれ道が
一生を大きく左右する
少しタイミングが違ったら
掴めたかもしれない運
手に入れられたかもしれない縁
心があって
感情があって
どの子も温かい血が流れている
みんなみんな 同じ猫…
もうすぐクリスマス
サンタさんには何をお願いする?
私は
どの子にも平等に
生きる糧を
明るい未来を
贈ってあげてほしいと
そうサンタさんにお願いしたい
たとえ
一滴の雫でも
それによって
救われる命もあるのだから
・・・