ピアニストの辻井伸行さんの赤ちゃんの頃の話で、
お母さんがあるCDをかけると足をバタつかせて喜ぶのでいつも聞かせていたが
ある時、そのCDが壊れたか何かで違う人の同じ曲のCDをかけたら何も反応がなかった。
それで、前のかけていた盤のCDを買いなおしてかけたら、足をバタつかせて喜ぶのを見て
「あぁ、この子は聴き分けているんだ」と分かったという・・・。
私の好きな昔のドラマ、スタートレックネクストジェネレーションにでてくるデータ少佐
彼はアンドロイド(という設定)で、処理能力はスーパーコンピューター、機械だから馬力も戦闘能力も
人とは比べものにならないくらい優れていて、絵も描くし演劇もたしなみ、ヴァイオリンも弾く。
そんな彼が持ってなくて追い求めているもの。それが「人間性」だった。
怒って暴言を吐くこともないけれど
友の死を悲しんで泣くことも、面白いジョークに皆と一緒に笑うこともできない。
後に、エモーショナル(emotional)チップを手に入れて、人間らしい感情を手に入れることになるのだが
アンドロイドが人間になりたい、けれど感情がないからなれないという葛藤がこのドラマの一つの色だった。
音楽を聴いていて、この曲のここがいいなとか思う。
思うけれど自分が何に対していいなと思っているかまでは説明できない。
でも感動することはできる。
感情がなければ、人とのいざこざもなくて
どれだけ生きやすいだろうと思うことは多々あるけれど
この目に見えない感情があるから、いろんなものに感動したり、これは‘’いいな’’
とか好きだとかもしくは、これは嫌いなどど言える
そんな自分の個性を持てるわけで、なんともいかんしがたいものだ。
感情ってどんな仕組みで、何がベースになって出来上がっているんだろう?
と思うけれど、きっと答えがでてもおもしろくないからこの辺でやめておこ。