美浦所属の宮崎北斗騎手。
昨年末、愛知杯で16番人気セラフィックロンプとのコンビで
初重賞制覇を飾ったデビュー3年目の騎手だ。
164センチと騎手としては決して小さくないが、小学校の時の身長は
クラスで前から2、3番目。しかもスポーツは大嫌いだったという。
「野球、サッカーが嫌いで体育が憂鬱だった。
何をやらせてもセンスがなくて、みんなにバカにされた方だった」
幼少のころからスポーツ万能だったという騎手が多い中で
異色の存在だが、まわりを見返したいという気持ちが
環境を少しずつ変えていったのだろう。
騎手という職業を親から聞き、小さい体が役に立つと知り
迷わず飛び込んだという。
「中3の夏、騎手を育てた実績のあるおじさんが長崎にいると聞いて、
ひとりで行った」。その男性とは面識がなかったが、
空港から車で2時間離れた山奥で1カ月すごしたという。
当時0・4しかなかった視力も、視力回復センターに通って
競馬学校入学に必要な0.8まで回復させたという。
昨年の愛知杯も、それまで1000万下のレースまでしか
騎乗経験がなかったが、ハンデ51キロということもあり声がかかった。
そして初めて乗った重賞で快挙を達成。
後輩・三浦皇成騎手の存在は大きな刺激になるはずだ。
デビュー1年目は目立った存在ではなかったが、
2年目、3年目に大きく勝ち鞍を伸ばしトップジョッキーになった
先輩も珍しくない。今年を飛躍の年にしたいところだろう。