参院選に比例代表で出馬予定だった自民党の大仁田厚参院議員が
1期限りでの引退を表明。個人名でも投票できる「非拘束名簿」方式が
初めて導入された2001年の参院選で初当選し、2期目を目指して
立候補の予定だった。記者会見した大仁田氏は
「参議院は首相官邸の人気取りの道具ではない」
引退の直接の理由は、安倍政権が主導した今国会の会期延長と、
参院選の日程先送りに対する抗議だと説明。
「国民が求めているのは付け焼刃で法案を通すことでなく、慎重審議だと思う。
選挙目当てにウソをついてまで当選したくない」と強調した。
また、参院の存在意義について「3年くらい前から悩んでいた」といい、
「衆院から降りてきたことをそのままやっていく。
今回もそうだが『ハイ、そうですか』で通してしまっていいのか」
また、「何百という選挙区に応援に行った。それがタレント議員の仕事みたいなもの。
政治家としてテレビに映る僕の映像は、審議が荒れた時に委員長を守る場面ばかり。レスラーという偏見を打ち破ろうとしたが、自分の勉強不足を痛感することもあった」
と語った。
政治家としての知識・経験はともかく、
大仁田氏の発言は的を射ている。まったくの正論である。
今の参議院は衆議院の子分のようで、とても『良識の府』とはいえない。
タレント議員の乱立は、それ自体は構わないと思う。
「自分が犠牲になってでも日本を良くしたい」という気持ちがあれば。
スポーツ選手や文学者・アナウンサー・弁護士などが
今までの自分の経験を生かしていく。その中で政治について
学んでいけばいい。そのために6年・解散なしという身分が
保障されているのだから。
しかし、人気取りのための安易な擁立、衆院から参院への鞍替え当選、
さらに言うなら政党・会派の縛りも参院をダメにしている要因。
いっそ、参院は政党政治から脱却してはどうか。
そうでなければ良識の府などなり得ない。