背中ではなく,眼 | 山内恵介(大学受験 数学教師)のブログ

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個人的に教師にとって最もやってはいけないと思うのが,

 黒板とオトモダチになること

だと思っております。


誰のための授業か,ということを考えれば,

あくまで黒板はキャンパスであり,1つのツールでしかなく,

その完成度を高くすればするほど,本やプリントと変わらなくなってしまう。

究極,殴り書きでもよい,と。


もちろん数学ですから,しゃべりだけで成立する教科ではありません。

必要最低限の板書は残す必要があります。

が,最低限でよく,行間を埋めるのは生徒自身であり,

そのサポートは,進行が難しい部分や工夫が必要な部分に限るべきである,と。


ですから,私は生徒をとにかく見ます。

見て,必要なことを,言葉で伝えます。

とある予備校で「中継授業」をしているときに,

私が画面に映っているのを初めて見たある校舎の生徒が

 「画面を意識しすぎ」

という感想をアンケートに残しました。

私が生の授業でも生徒をじっと見ているのを知らない生徒でしょう。



数学の入試においては,自分で解く際には必ず書く必要があります。

授業においても,途中計算をずらずら書いていれば授業自体は成立します。

でも,その書いている背中を見て,彼らは「その人から」何が得られるのか。


印刷された式,画面にぱっと映し出された式は,

それを見れば「できるような気持ち」になります。

暗記教科ではありませんから,気持ちだけではできるようには全くなりません。

途中でつまってしまう生徒のための解答はあっても,

最初からそれに頼る生徒のための解答は用意していません。

授業を聞いて,何かを得て,それを自分の手で実践する。

下地や土台を作るための授業であると私は思っております。

そして私のとっての板書は,

補足であり,途中経過を記したものであり,後に引用するための備忘録です。

まだ,その棲み分けは完全ではありませんが,このように考えています。


ですから,私の話をしっかり集中して聞いて,最小限のノートを取って,

自ら進んで,合格を自分の手でつかみ取ってほしい。


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先日のプレスリリースで,いろんなサイトや新聞で,私の「後ろ姿」が掲載されています。

私だと気づかない人がほとんどでしょう。

これは確かに私ですが,私ではありません。


教師である以上,背中ではなく,「眼」で語りたい。

そんな想いで,今日も次の授業を作っています。