新紀元社「お好み焼きの物語」とkindle版「お好み焼きの戦前史」の違いについて

 

2018年12月9日

 

近代食文化研究会
新紀元社


 以前(2018年)から販売されているAmazon Kindle版「お好み焼きの戦前史」と、2019年1月発売の新紀元社「お好み焼きの物語」は、多くの部分において内容が重複します。

 これから購入される方向けに、以下に両者の違いや特徴を説明いたします。お好きな方を選んでご購入ください。



よりわかりやすい「お好み焼きの物語」

・イラストや図表などを用いることで、「お好み焼きの戦前史」では言葉だけで説明していた部分が、よりわかりやすくなっています。

・紙の本が好きな方、Amazon Kindle環境が無い方はこちらをお求めください。

・膨大な資料をどのように管理するか、クラウド時代の資料管理ノウハウを公開します。その応用例として、お好み焼きとは関係ありませんが、肉じゃがと海軍、東郷平八郎の関係を検証しており、「真実の」肉じゃがの歴史に関する知識も得られます。



より深く識るための「お好み焼きの戦前史」

・件数300件超、約400ページの「お好み焼き資料集」が本文と一体化し、755ページの情報量となっています(注1)。

・電子書籍の特性を活かし、お好み焼きの歴史データベースとして活用できます。例えば、お好み焼きに鰹節を使っている地域はどこか、その最古の事例はどれかなど、資料集との一体化と検索機能により様々な分析が容易になります。

・作者が生きているかぎり(そしてAmazonが潰れないかぎり)は、無料で最新の内容に改定され続けます(注2)。

・AmazonのKindle Unlimitedに加入されている方は無料で読めます。また、Amazon Prime会員でFireなどのKindle端末をお持ちの方も、無料で読めます(注3)。


(注1)Amazon公式の換算値。kindle環境によってページ数は異なります。
(注2)改定は自動的に反映されません。Amazonのサポートにお問い合わせください。
(注3)https://www.amazon.co.jp/Kindle%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%BC/b?ie=UTF8&node=2544561051
 

 

お好み焼きの歴史フロー図を修正 洋食屋台などを追加

 

巻末資料集に以下の項目を追加。資料数総計250以上につきカバーの文言を”250以上の資料”に修正。項目追加に伴い各章修正。

18932 ボッタラ焼 東京
19021 ボッタラ焼 駄菓子屋 東京
19082 文字焼 駄菓子屋 東京
1912* たらし 駄菓子屋 茨城
19197 お好み焼き 屋台 東京
1926* 一銭洋食 家庭 大阪
19299 お好み焼き 屋台 東京
19347 洋食焼 屋台    大阪
19348 一銭定食 駄菓子屋 兵庫
1936C お好み焼き 店舗 東京
1937D お好み焼き 店舗 東京
1937E どんどん焼き 不明 東京
1937F 文字焼 駄菓子屋 東京
19398 洋食焼 大阪
19403 一銭洋食    屋台 広島
19414 お好み焼き 店舗 大阪
19612 お好み焼き 屋台 東京
19613 どんどん焼き 屋台 東京
19821 もんじゃ焼き 店舗 東京


巻末資料集の以下の項を修正
19278の内容 牛てんの肉がすじ肉であることを明記
19279の焼きそばに青のりをかけることを明記
19343を欠番 19413に移動 田辺聖子がお好み焼き店舗をはじめてみたのが昭和16,7年と判明したため

5.明治時代の文字焼

子供が自分で文字焼を焼く最古の例を18332に変更

6.駄菓子屋の文字焼

戦前のお好み焼きが現在より小さかった例として、広島の一銭洋食の例を追加。

メモ:ボッタラ焼きとは

刈部山本著「大ぼったら」と、大洗の「たらし」を追加。

9.和食は大阪、屋台と洋食は東京

昭和初期の京都大阪の洋食が未発達でまずかったという事例をいくつか追加。


メモ:日本の洋食とウスターソース

OKソースがアメリカ産という記述を削除 イギリス産の間違いでした

10.醤油とウスターソース 

OKソースがアメリカ産という記述を削除 イギリス産の間違いでした

醤油・味噌・アミノ酸/質疑応答を引用文書に追加。場末のカフェーではソースのかわりにからし入醤油を使っていた。

14.ソース焼きそば

戦前の炒麺=焼きそばの主流が、あんかけかた焼きそばであったことを明記。


15.来々軒と支那そばの普及

江戸と東京昭和13年新年号からの引用を追加。東京初の「支那そば屋」は来々軒ではなく中華楼であった。

浅草ちんやが支那料理を展開したのが大正時代というのは間違い。昭和に修正。

実業之日本からの引用を追加。関東大震災後は浅草だけでなく、東京中の西洋料理屋が支那料理屋を兼ねるようになった。

小資本開業案内からの引用を追加。昭和2年当時の東京には、西洋料理兼支那料理屋が多く存在した。

平山蘆江の「東京おぼえ帳」を引用文献に追加。蕎麦屋がラーメンを出しはじめた時期を、昭和はじめから大正時代に修正。

どんぶりにタレを入れて、スープを注ぎ、麺を入れるラーメンの作り方は日本で生まれたのではないかという推測を削除。上海や蘇州では一般的な作り方らしい。

昭和初期の東京で中華麺の製造能力が過剰になっていた例として、にっぽんラーメン物語の「甘辛ホール」の例を追加。

来々軒の支那そばが当初拉麺(手伸ばし麺)を採用していたというデマを詳しく検証。

16.天ものの日本各地への展開

手塚治虫の一銭定食の例を追加


メモ:忘れ去られたお好み焼き5 シュウマイおよびエピローグ

染太郎の伝統は二代目の崎本仁彦までは受け継がれていたことを明記。

国会図書館デジタルライブラリにおいて、インターネット公開されている料理書以外の焼きそばの資料を調べました。

 

支那風俗上巻(井上紅梅) 大正10年
P140
蝦仁炒麺、鶏絲炒麺、肉絲炒麺 ”油焼きにした麺、上にドロドロの汁をかけたもの”

混乱の支那を旅して(早坂義雄) 大正11年
P187
炒 油で煎りて用ふる法

日満盟交の礎(保々隆矣) 昭和11年
P81
炒 材料を油で煎つたるもの

北京料理・西洋料理献立表(中央飯店編) 昭和13年
P79
肉絲炒麺 ”豚肉の細く切りたるものに筍などを入りたる焼ソバ”
三鮮炒麺 ”鶏肉ナマコ海老を薄く切りたるものに筍などを入りたる焼ソバ”

支那の国民性(日本産業貿易振興会) 昭和14年
P36

炒 油にていためる事

満洲生活案内(満州事情案内所) 昭和15年
P34
炒 炸より油を多く用ひいないでいためる程度の事

生活習慣 第1(米田祐太郎) 昭和16年                            
P277
炒麺(五目焼きそば)

生活習慣 南支那篇(米田祐太郎) 昭和16年
P242-244 
炒麺類はヤキソバと翻訳

満洲風物帖(図書満鉄鉄道総局旅客課編) 昭和17年
P144
炒 油で煎ること 
炒麺(やきうどん)
P184
鶏絲炒麺 糸切りにした鶏肉いりの焼きうどん
炒麺 肉入りうどん

支那習俗(太田陸郎) 昭和18年
P181
炒 油でいためたもの

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日本・西洋・支那三風料理滋味之饗奏 明治20年
焼きそば焼売なし

記臆一事千金 明治20年
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料理独案内 : 西洋朝鮮支那日本 明治20年
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仕出しいらず女房の気転 明治27年
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実用料理法 明治28年
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和清西洋料理法自在 明治31年
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和洋料理 明治32年
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和洋素人料理 明治37年
P267
餃子 饅頭のごとく包んでいるので焼売? 蒸している 調味料不明
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実用割烹講義録. 第2号 明治42年
焼きそば焼売なし

女道大鑑 明治42年

P83

粉炒麺 蟹の肉と卵をねぎと揚げてうどんと盛る

焼売はなし

日本の家庭に応用したる支那料理法 明治42年
焼きそば焼売なし

和洋素人料理法 : 四季疱丁 明治42年
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家庭節用 明治43年
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実用新料理法 明治45年
焼きそば焼売なし

実用家庭支那料理法 明治45年
焼きそば焼売なし

女子座右之銘 大正元年
焼きそば焼売なし

女子手芸の栞 大正2年
焼きそば焼売なし

どなたにも向く安価お料理 大正5年
焼きそば焼売なし

家庭料理の拵へ方 大正6年
焼きそば焼売なし

御馳走の拵へ方 大正8年
焼きそば焼売なし

割烹実習の栞合本 大正9年
焼きそば焼売なし

支那料理の夕べ 大正12年
P67 包子が焼売にちかいか?食べる時に醤油をつけて食べる
焼きそばはなし

婦人宝鑑 大正13年
焼きそば焼売なし

家庭向の支那料理 大正13年
P65 
焼売 食べる時に醤油をつけて食べる
焼きそばはなし

美味で経済な和洋料理四百種 大正13年
P78 焼売
餡に砂糖醤油で下味をつける 食べるときの調味料なし
焼きそばはなし

楽しい我が家のお料理 大正14年 
P167
チャウメン(焼蕎麦) 日本蕎麦を焼いて醤油で味をつけたもの
焼売なし

美味しく廉く手軽に出来る日本支那西洋家庭料理 大正14年
P282 焼売
餡に塩醤油胡椒で下味をつける 食べるときの調味料なし
焼きそばはなし

最新割烹指導書 後編 大正15年
P159
焼売
食べる時に辛子と醤油をつけて食べる
焼きそばはなし

手軽に出来るお惣菜の拵へ方 大正15年
P225
シウマイ
食べる時に生姜醤油かウスターソースをかけて食べる
P226
焼きそば
中華麺をねぎ椎茸たけのこと炒めて、砂糖と醤油を使った和風焼きそば

家庭文化宝典 大正15年
焼きそば焼売なし

素人に出来る支那料理 大正15年
P97 
焼売4種
食べるときの調味料はお好みで醤油かソースか酢醤油
焼きそばはなし

手軽に出来る珍味支那料理法 大正15年
P61-71

揚州炒麺 鶏絲炒麺 肉絲炒麺 蟹粉炒麺 蝦仁炒麺
いずれもあんかけかた焼きそば 麺を揚げる

 最後に酢をふりかける
P75 
焼売
食べる時にソースをかけて食べる

新しい家庭向支那料理 大正15年 

P16
焼きそば
中華麺をねぎ椎茸たけのこと炒めて、砂糖と醤油を使った和風焼きそば
P23
焼売 
食べる時に生姜醤油かウスターソースをかけて食べる
P26
蟹の焼売 調味料不明(焼売に同じ?)
P28
蝦の焼売 調味料不明(焼売に同じ?)

食通の喜ぶ日本、支那、西洋珍料理 大正15年
焼きそば焼売なし

誰にも出来る新しい四季の和洋支那料理 昭和2年
P286
焼きそば
中華麺をねぎ椎茸たけのこと炒めて、砂糖と醤油を使った和風焼きそば
P293
焼売 
食べる時に生姜醤油かウスターソースをかけて食べる

一年中朝昼晩のお惣菜と支那、西洋料理の拵へ方 昭和3年
P97
揚州炒麺 鶏絲炒麺 肉絲炒麺 蟹粉炒麺 蝦仁炒麺
いずれもあんかけかた焼きそば 最後に酢をふりかけるが、酢で不足する人はソースをかけても良いとある
P102
焼売
食べる時にソースをかけて食べる

調味百趣 昭和3年
焼きそば焼売なし

おいしい料理の拵へ方 昭和3年
焼きそば焼売なし

支那料理の拵へ方 昭和4年
P98
浄肉焼売
食べる時にからしと醤油またはウスターソースをかける

日本料理 昭和5年
焼きそば焼売なし

おいしい日用料理の拵へ方 昭和5年
焼きそば焼売なし

食物調理指導書. 続 昭和11年
焼きそば焼売なし

手軽に美味しく出来る家庭向き支那料理と西洋料理 昭和12年
P97
焼きそば
揚州炒麺 鶏絲炒麺 肉絲炒麺 蟹粉炒麺 蝦仁炒麺
いずれもあんかけかた焼きそば 最後に酢をふりかけるが、酢で不足する人はソースをかけても良いとある
P102
焼売
食べる時にソースをかける

素人に出来る珍らしい料理十二ケ月 昭和12年
焼きそば焼売なし

2018年1月31日 Ver.1.01 改訂内容
・「1.大正7年のお好み焼き」に読売新聞大正7年3月24日朝刊の写真追加。
・「メモ:日本の洋食とウスターソース」に亀屋関連の情報を追加。亀屋は明治屋のライバルで、明治屋に先んじてウスターソースを輸入販売していた。
・「10.醤油とウスターソース」にハトソヲースの広告画像追加。
・「12.お好み焼きの店舗化」に、大人が文字焼を食べる事例として18901追記。
・「エピローグ 第三次お好み焼き屋ブーム」に、戦後のお好み焼き屋の例として高見順の小説「胸より胸に」を追加。
・18901追加
 廃娼論への反対に関連職業の失業があるが、鉄道でも車夫は失業する、車夫が失業するとボッタラ焼、煮込店が難儀する(女學雜誌 第 10 巻 202号)(注 公娼廃止運動への反論に対する再反論 大人がボッタラ焼を食べる事例だが、ボッタラ焼の内容がわからない)
・19151を19147に変更
 日和下駄 一名 東京散策記 永井荷風の年代を、大正4年から連載時の大正3年に見直し。これに伴い19151を19147に変更。19151は欠番。
・その他誤字脱字、用語の不統一修正。