夢に過去の仲間が出てくるときがある。

今は仲間ではない。

夢と知ってか知らずか、決まって俺は感情的になり彼らに暴力を振るう。

いや、振るおうとする。それこそ周りも見えないくらいになって。

だがその暴力は必ず届かない。

振り上げた拳が下りる頃には力が消えて、捉えたはずの標的は感触が無い。

そして彼らは俺をあざ笑う。

それが悔しくて怒りはどんどん高まるが、俺にはどうすることも出来ない。


裏切られたことがある。何度か。

決別というカッコいいもんじゃないかもしれないけども信頼という二文字は跡形もなく。

笑っている人間があんなにも愚かに見えるのは彼らに限ったことだ。

でも彼らは亡霊のように俺に未だに付きまとう。

普段なら気にもしないが、こうして過去は消えずに付きまとう。