九州一周1000㎞を越える旅へ出かけた
変わり果てた姿から蘇ろうとしている熊本城の迫力には歴史の凄味を感じる
天草四郎の乱で登場する島原城は、五重塔のように美し過ぎたことが仇になったそうだ
江戸時代には海路要衝の地であったことが伺える
九州の海、山には東京とは違った時間の中で暮らす人々の姿をよく見かけた
美しい緑の山が時に噴煙を天高くまで吹上げるという、こちらはその恵みで温泉三昧も味わえる
地方の食は本当に豊かで、そこに行かなければ味わえないものもたくさんある
歴史は過去から今へ、そこに住む人の慎ましい時間とつながっている
そんなことを感じる同行二人の旅はよかった
今年も子供たちが社会科見学で訪ねてくれた。
すぐに思い出したのは、司馬遼太郎が残した二十一世紀に生きる君たちへのエッセイ、
難しい時代に生きるだろうこの子たちの未来を明るくする種を蒔いていきたいと思った。
・・・
君たちは、いつの時代でもそうであったように、
自己を確立せねばならない。
―自分に厳しく、相手にはやさしく。
という自己を。
そして、すなおでかしこい自己を。
二十一世紀においては、
特にそのことが重要である。
二十一世紀にあっては、科学
と技術がもっと発達するだろう。
科学・技術が、こう水のように
人間をのみこんでしまってはならない。
川の水を正しく流すように、
君たちのしっかりした自己が、
科学と技術を支配し、
よい方向に持っていってほしいのである。
(司馬遼太郎文学碑)