こんにちは。トレーナー村田です。
試合や練習中に、選手の足首や膝などに白いテープが巻かれている姿を見たことがある方も多いのではないでしょうか。
「テーピング」は、怪我の応急処置、予防や再発防止、更にはパフォーマンス向上のサポートなど、様々な目的で活用されています。
今回の記事では、「なぜテーピングを巻くのか?」という基本的な目的と役割から、テーピングの種類の違い,傷害の予防・再発防止との関係、動作の補助や機能改善を目的とした活用方法について解説していきます。
テーピングの目的
①応急処置(圧迫・固定・保護)
一次的外傷性損傷によって、怪我をした周囲の組織が炎症や内出血を起こすことによって、循環障害が起きてしまいます(捻挫、肉離れ)。そして更に、腫れが引き起こされて二次的外傷性損傷が起きてしまうリスクがあります。
そこで、テーピングを活用し患部を圧迫する事で内出血を抑制し二次的外傷性損傷を軽減できる可能性があります。
一次的外傷性損傷
外力が加わった瞬間に発生する損傷。
【例】足首を捻り靭帯損傷
二次的外傷性損傷
間接的な損傷や合併症。
【例】
捻挫による内出血
→腫脹
→圧迫され神経・血管の二次損傷
また、テーピングを用いて固定する事で、患部を保護する効果があります。
応急処置としてのテーピングは、RICE処置の1つ(圧迫)として考えられます。
RICE処置
Rest(安静)
Icing(冷却)
Compression(圧迫)
Elevation(挙上)
②傷害の再発予防
一度怪我をした部位は、再受傷しやすい傾向にあります。
受傷歴のある部位に対して再発予防テーピングを行うことで、安定性を向上させ予防をし、必要な動作を残しながら過度な負荷・不安感を軽減する効果が期待できます。
競技によっては、特定の動作によって関節や筋肉に負担がかかりやすく、繰り返し負荷をかけることによって怪我のリスクが高まります。
受傷歴がない部分に対しても、テーピングによって過度な動きを制限することによって、怪我の予防に繋がります。
機能改善・動作補助
主に、伸縮性のある「キネシオロジーテープ」を使用します。
筋肉や筋膜の動きのサポートや循環を改善する目的として活用されています。
姿勢の崩れや動作の乱れにより、特定の筋肉に負担がかかりやすくなり疲労しやすく、理想的な動作がしずらい場合に使われることが多いです。
期待できる効果
・筋力の負担を軽減
・筋肉をサポートし活性化
・動作の改善を促す
テーピングの種類と活用方法
テーピングの目的や使用する場所などにより、種類を選択します。
強い固定が必要な場合、動きを重視する場合など、目的に沿った種類を選択する事で、より効果を発揮します。
アンダーラップ
皮膚の保護を目的に使用します。
テーピングによる皮膚の炎症やかぶれを防止します。
厚く巻きすぎると固定力が低下する恐れがあるので、注意しましょう。
非伸縮テープ
主にホワイトテープと呼ばれています。
圧迫や固定を行う場合に使用する事が多いです。関節を固定し動きを制限します。
テンション(引っ張る強さ)が弱すぎる場合は固定効果が減少し、強すぎる場合は腫れを更に誘発してしまう恐れがあります。状態に適したテンションで巻きましょう。
伸縮テープ
伸縮テープの利点は、伸縮性があるため各関節に合わせた巻き方やテンションをかけることができ動きを必要以上に妨げない点です。
固定や制限が必要でありながら、動きやすさも重視したい場合に活用しましょう。
・ハード伸縮テープ
膝・肩など大きい関節で使用します。
ホワイトテープと併用し、固定と動きのバランスを整える使用法もあります。
・ハンディカット伸縮テープ
特徴は、手で切ることができる事です。
最後の仕上げ(ラッピング)として活用することもあります。
・自着性テープ
粘着性がないため、皮膚の負担が少ない点が特徴です。
ラッピングとして活用する事が多いです。
また、圧迫力があるため応急処置においても活用できます(肉離れなど)。
・キネシオロジーテープ
機能改善や動作サポートとして主に活用。
まとめ
テーピングは、応急処置・傷害予防・再発予防・機能、動作改善など、幅広い役割を担う道具です。
適切な巻き方、種類を選択する事でテーピングの効果を最大限に活用する事が出来ます。
大切なのは、自分の体や競技動作の特徴に合わせて正しく評価し、目的に沿ったテーピングを選択する事です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回、お会いしましょう!
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