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ぐだ子:・・・ちょっと待て・・・ラスボス、ケタ違いに強いじゃんかぁ!
桜花:誰が手加減すると言ったです?誰も言ってねーです。ふりだしに戻ってやり直せです
ぐだ子:ふ、ふざけんなぁ〜!知ってるかぁ?ゲームには難易度ってものがあってさぁ!
桜花:はい?これ、推奨レベル10です
ぐだ子:どこがだぁ!Lv200くらいあるぞ!
桜花:ねーです!
BB(ま、最初から桜花さんに勝てるとは思ってませんけど・・・さすがに、あっさりやられすぎです…でも、これからですよ?ぐだ子さん)
テノチティトラン:まったく・・・六神将はどいつもこいつも…強すぎなんです、よ!
徒桜:ははっ!楽しいじゃないか!もっと楽しませてみよ!都市の精霊!
(さすが、桜花が育てたサーヴァントだ。あの2人といい、そこら辺のサーヴァントとはわけが違うな!)
私たちは何度も何度もやられた。
その都度ブルジュ・ハリファから退去させられ…作戦会議をして戦いに臨んだ。カドックのアドバイスも聞きながら何度も桜花に挑んだ。
この時の私が何で桜花に挑み続けたのか…それはよくわかんない。これを企画したBBには何か目的がありそうだったけどね。
今考えてもわからない。意地とかそういう感情じゃなかったのは確か。だって、私がいくら挑んでも勝てない相手なのはよく理解してるから。
あるサーヴァントを編成した時…私たちを悲劇が襲った。それが女神イシュタルだった。
夏の霊基や霊衣を持つサーヴァントが桜花に有利と判ったのは良かったんだけど…まさかあんなデバフがあるとは思わなかった…んだよね・・・
そのデバフとは・・・女神イシュタルの祝福という効果だった。
その内容は・・・
『女神イシュタルを編成した場合、強制的に味方のサーヴァントとマスターを猫に変える。猫に変わったサーヴァントやマスターは、桜花とのバトル開始時に本来の力を半分以下に設定される』
とかいう、最悪の効果だった。
というかさぁ!何でイシュタルが私たちを猫に変えるわけぇ!?
猫になってしまったマスターとサーヴァントに…猫の最高位神官が立ちふさがる!
猫になった私たちは桜花に逆らえない…
猫の世界の世界王の強さを見せつけられる形になっていた。
このイシュタルのデバフ効果…これは一時的なものではなく、一度組み込んだら最後…攻略パーティにいなくても女神イシュタルによる強制祝福として永続的に機能することだった。
当然、イシュタルは桜花に猛抗議したんだけど…認められることはなかった。
まぁ気持ちは判る・・・
というか・・・何であんなデバフがかかるんだろ…
理不尽すぎる!
「解除する手段はあるです。そっちに徒桜がいるなら女神イシュタルの逸話を聞いてみるといいです。それと、過去を思い出すです」
桜花はそう言った。
ってことは・・・猫の世界と関係してる?
あと…過去?
この解除方法に気付くまで、めっちゃ時間がかかったんだけどね!判るかぁ!あんなの!
それがエレシュキガル、イシュタル、ギルガメッシュ王を同時に編成した場合に限り、ギルガメッシュのツッコミでイシュタルを駄女神認定することができる…というもの。
以後はエレシュキガル、イシュタル、ギルガメッシュが編成固定されることになったが、思わず苦笑いしちゃったよ・・・
過去ってそういうことね・・・
そう、あのバビロニア時にも同じようなやり取りがあったなぁ・・・確かティアマトの足止めをどうしようかってなった時のグガランナ!
あの・・・皮肉込めすぎじゃない?
異世界のエレシュキガルの娘…桜花とシュメルってやっぱり繋がり深いよね。ギルガメッシュ王も桜花カンパニーに移籍したって言うし・・・
もう何回挑んだのか解らなくなって来た時、桜花から桜花カンパニーのサーヴァントを1人助っ人で喚んでもいいことになった。
みんなで話し合って、シュメルと関係深いあるサーヴァントを助っ人で喚んだ。そう、選んだのはティアマト!
・・・これがね?
最悪だったんだよ!
「ギルガメッシュのツッコミ」というスキルで「女神イシュタルの祝福」を抑え込んでいたんだけど、ティアマトを編成したことにより・・・
スキル名『イジメてはいけません!お母さんは許しませんよ?』
このスキルが発動!無効化される!
またあの猫デバフの餌食となった、私たちなのであった・・・
この無理ゲー難易度のクリアの鍵はエレシュキガルだった。490回目の挑戦で、桜花はこうエレシュキガルに言った。
「エレシュキガル、マシュマロキノコから伝言聞かなかったです?それが攻略のヒントです」
後から聞いたんだけど、BBはそれを聞き…
「あ・・・桜花さん、絶対に飽きましたね」とすぐに思ったらしい。
マシュからエレシュキガルへの伝言の詳細を聞く…
「母親ヅラしたければ逃げんな」
母親ヅラ・・・もしかして桜花は…
私は攻撃有利のビーストではなく、そういうバフの掛からないランサークラスのエレシュキガルで挑むことにした。
だって、桜花の母親はビーストではない…冥界神エレフィナなんだからさ。この何回か後、私たちはあの鬼畜難易度をクリアできたのだった…
もう挑みたくないね・・・絶対・・・
この2030年のドバイの報告書は珍しくカルデアスタッフによって書かれている。この報告書の中にはレオナルド・ダ・ヴィンチの発言も記録されており、
「間違いなく遊ばれているが、あれはまるで稽古のようだった」
そうこの戦いを評している。
カドックも同じ印象を持っていたようで、
「ぐだ子がへこたれそうになると、桜花が何かしらのヒントらしきことを口にしたりしていたな。あれはクリアさせたくないではなく、何としてでもクリアさせたかったんじゃないか?」
と述べたが、その理由は解らないらしい。
なかったことにされたムーン・ドバイだか、そこで得たものは確実にぐだ子を成長させているのは間違いないのかもしれない。













