テーマ:アラブ
2006-02-02 05:18:53

デンマーク風刺画をめぐる論争

ここ数日新聞を賑し日を追って深刻になっているのが、デンマーク最大の新聞Jyllands-Postenによる”預言者ムハンマドを冒涜する風刺画”の掲載をめぐるあれこれ。


火種となったのは昨年9月にこの新聞社が掲載した12の風刺画。これをノルウェーの雑誌が今月始め再発行したあたりから問題が一気に拡大しました。


イスラム社会から次々と反発が起きたにもかかわらず、言論の自由は基本的人権だとして新聞社・デンマーク国家共になかなか謝罪をしなかったことが事態を悪化させてしまいました。


あっという間に駐デンマークの大使館を閉鎖したり大使を召喚するなど外交問題にまで発展。

小売業者は、宗教指導者の呼びかけや国民感情を考慮してデンマーク・ノルウェー製品のボイコットを始めました。

さらにガザ地区では武装勢力がデンマーク国旗を燃やし、欧州人に対し脅迫・嫌がらせ。

仲裁を求めたEUがデンマークを支持すること、言論の自由を支持し31日に他の欧州系(仏・独・伊・西・蘭・スイス)新聞が問題の風刺画を紹介したことで、ことはイスラム対ヨーロッパに拡大しつつあります。


先日ようやく新聞社は謝罪をしましたが、時既に遅し。

コペンハーゲンでデンマーク国旗が燃やされたことへの報復としてコーランを燃やす計画がある、という情報がムスリムの間で流れているようです。

もし本当にそんなことが起きたら一体どこでどんな事態を招くことになるのか、考えただけで恐ろしいです。


デンマークの当の編集者は「デンマークの兵士や市民が脅迫され、国旗が燃やされることになると知っていたら、この風刺画を掲載しなかっただろう」と言っています。正直そうだったのだと思います。

西側の価値観にいる者誰もが「こんなことで怒るなんてどうかしてるんじゃない?」と思うのでしょう。


私も西側の価値観の人間です。

ただこの国でイスラムの価値観に触れながらの生活をしていて思ったのは、これはやはりやってはいけないことだったのでしょう。

今回のことで怒りを表明しているのは、武装勢力だけではありません。これを政治的駆け引きに利用しようとして人々をたきつけているだけでもありません。信仰なのです。

信じられなかもしれないけれど、本当にムスリムは預言者とイスラムがバカにされたと感じて傷つき怒っているのです。どうも西側はこの”怒っているムスリム”自体をバカにしているような気がしてなりません。

「ことは今や”西欧の言論の自由VSイスラムのタブー”」とデンマークの首相が発言していましたが、私にはもっと内的な感情の問題に思えます。


「言論・表現の自由は宗教を冒涜する言い訳にはならない」「言論の自由があるからといって、他者の信仰や感情を傷つけていいことにはならない」というのがムスリム側の言い分のようです。


世俗や人間である政治家を風刺するのとは次元が違います。

イスラムという宗教の持つ重さを、私たちには永久に理解出来ないでしょう。でも彼らにとっては生き様そのものなのだということは理解しておくべきだと思います。


そしてこれが火種となって人の命が奪われる事態にならないことを願うばかりです。







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