世の中、物の値上がりが激しい昨今、安くて旨いという、殊勝な中華料理屋がある…が、良いことずくめではない。女将の態度が気になるのが、玉にキズという店でもある。

 以前から観光客が多く、このところ外人も増えた東京タワーの近くなのに、人通りが少ない、さびれた東麻布商店街(旧森元商店街)のはずれにある。

 ちなみに、この商店街を北上し、赤羽橋から飯倉に向かう桜田通りには、有名な鰻屋・野田岩がある。

 安くて旨い店の名は古宮という…さびれた町だからと思いきや、町中華とは思えぬオシャレな店構え、清潔モダンな店内に感心するだろう。

 コックの腕は一流だと思う…だから、どの料理も旨い。ていねいに盛り付けられた冷やし中華も旨くて、今どき1000円は安いと思う。

写真:常識的冷やし中華だが、味は上々/個人的嗜好としてはトマトがモ少し少なければと思うのだが。

 ならば、評判で行列店というかというと、そうでもない。昼どき近所のサラリーマンで混むだけで、行列など見たことがない。

 思い返すと、女、とくに若い女客が少ない…美味しい処には女客が群がるが、女客が少ないと、SNSに載らない、その辺が旨いのに行列が出来ない、という原因なのかもしれない。

 実は、腕の良いコックの母親が、女将のようで、口コミでは、遠回しに、またはっきりと、女将の接客態度に触れた部分が、たくさん出てくる。

 そのどれもが悪評…たまに笑顔だと、相手は近所の顔なじみのようだ。

 こいつは私の、個人的中傷ではない、私は気にせず、食べに行っているから。

写真:立ち姿の女性が問題の看板?女将。

 

写真:好物のネギ炒肉麺950円&海老餡掛炒麺1000円。

写真:排骨酢豚は旨いが骨付きを手で掴むとベトベト・また食べたいが食べたのは一度だけ。

「俺は金を出してるんだ」と、時たま見かける横柄な態度の客は大嫌いだが、ここの女将にあうと、私もそんな気分になってくる。

 はっきり言って、横柄で無愛想、それを承知で行けば、気にならずに、旨い料理にありつける…そんな店だと承知で行くのも一興である。

 森元町には古くから済んでいるのだろう。勝手な推測では、地面も店も自前…腕の良いコックは息子、遠慮なしでの親子二人の商売、客の顔色など気にしなくても、やっていけるのだろう。

 店を流行らせて、儲けようなどという気配は、全く感じられない。

 それでも、少数だが客が来ているのは、美味しい物が手頃な値段で食べられるからだろう。

 元気のないパセリが、料理に付いてきても、怒る客はいなだろう。

 女将の無愛想は想定内、旨い料理と抱き合わせと考れば、それほど気にすることでもないだろう…皆さん一度訪問されては如何かな。