WWⅡ前にポルシェが開発したVWビートルは、戦後爆発的に売れた…ドイツでは1978年に生産を終了するも、メキシコで生産続行…累計生産台数が、フォードT型の記録を大幅に超えて、その総数、2152万9464台に達した。

 2152万台が、VWファンの頭に摺りこんだ印象は、あまりに強烈で、後継モデルが受け入れられずに、新車開発が何度も失敗した。

 が、ようやく成功したのが、ゴルフだった。

 ゴルフは、1974年に誕生して、日本では1975年からヤナセが販売を開始した…そのオ披露目は、高輪プリンスホテルだった。

写真:ニューフェイスVWゴルフ高輪プリンスに登場。

 

 初代ゴルフの、姿とパッケージングは、日本でもお馴染みの、イタリアの新進気鋭、ジウジアーロだった。

 が、後エンジン後輪駆動を摺込まれたファンには、いきなり180°転換の前輪駆動に戸惑ったが、すぐに人気者になり、680万台も売り上げた。

 

 幸いなことに、二代目も好評で、すぐに累計1000万台に達した。

 ちなみに、我々ゴルフと言えば芝生のスポーツだが、発表会では、英語でガルフストリーム=メキシコ湾流を、ドイツ語では、ゴルフストリームだと言っていた。

 ゴルフ初代で、忘れてはならないのが、ディーゼルだ…燃費の良いディーゼルは、それまで各社に登場したが、草分けのベンツでも、独特な騒音と振動に我慢が必要だった。

 それを解決したのが、ゴルフだった…乗用車用のブロックを流用した新開発ディーゼルは、ガソリンエンジン並に軽量コンパクト、髙回転で低振動という、常識破りだった。

写真:ゴルフ・ディーゼルを試乗中の四六/大磯。

 で、日産は技術提携して、サンタナを造ったが「ディーゼルとドイツ流サスの技術が欲しかった・サスの方はこれで良しと思ったが次の開発に利用したら駄目・数値には出てこない勘とチューニング技術のようだ」と、技術畑の園田善三元副社長が語っていた。

 VWゴルフは、世界の自動車屋のベンチマークとなったが、質実剛健・大衆車だったはずが、新型になるたびに大型化している。

写真:VWゴルフ七代目&八代目。

 それが世界的傾向とはいえ、如何なものかと思う…大きいメリットは多々あるが、デメリットもある。大きくなり続けることが良いことか、ここらで考える必要があるのではないだろうか。